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リアクション
★ ★ ★
「続いてのお便りは、ペンネーム、そうがくのとーまさん。
パラミタへ来て二年、色々な事がありました。
始めの頃はパートナーと一緒に一般生徒として様々な場所で事件に関わって来ました、その中で色々な人達と出会い友達や仲
間ができて、パートナーが増えて…大切な人ができました、その人のお願いでクイーンヴァンガードに入って特別隊員になり、
彼女の力になろうと色々な仕事をして…ロイヤルガードの話しが来たときにはもっと彼女の力になれると思い話を受けました。
しかし、その直後にその人は殺されてしまいました…俺に力が無かったから護れなかった、もっとしっかりとしていれば、と
今でも後悔しています。
この後悔はこれからもずっと俺につきまとうでしょう…パラミタに来て二年、俺は多くのモノを得て多くのモノを失いました、
恐らくこれからも得るモノ失うモノがあると思います。
それでもパートナーや大切な人や友達や沢山の色々な人達に出会えて、俺はここに来て良かったと間違いなくそう言い切れま
す…ありがとう、皆に会えて嬉しいです。
何か照れ臭い真面目な話をしてしまったので気を取り直して一言…「剣の花嫁と契約をしたからおっぱいが揉めるんじゃない、
そのおっぱいに手を伸ばすから揉めるんだ!」
揉んでるんですね。
それはさておいて、この二年間充分に波瀾万丈だったようですね。
ロイヤルガードだなんて、それだけでも光栄なことですよ。でも、公僕は色々と大変なんでしょうね。場合によっては、大人の事情で思い通りに行動できないようなこともあるでしょうから。
結果に満足できないことがあったとしても、それによって次の物語が生まれるのですから、そこでまた頑張ればいいことだと思います。これからも頑張ってくださいね」
★ ★ ★
「……刀真のえっち」
ラジオを聞いていた漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)が、樹月 刀真(きづき・とうま)を軽く睨んで言った。
「何だ、いきなり」
「だって、今の手紙……」
冷めた目で、漆髪月夜が樹月刀真を見つめた。
「そうがくのとーまって人だろ、俺じゃ……」
「ばればれであろうが」
そらとぼけようとする樹月刀真に、玉藻 前(たまもの・まえ)が言った。もう何度か投稿しておいて、今さらとぼけようというのには無理がある。
「だが、もし揉みたいというのであれば、相談に乗らないでもないぞ。ほれほれ」
玉藻前が軽く挑発する。
「それは遠慮する」
「それは? なら、他の物ならいいのかな?」
樹月刀真の言葉尻をとって、漆髪月夜の方をチラリと見た玉藻前が面白そうに笑う。
「スパゲッティー・ナポリタンできましたよー」
そこへ、封印の巫女 白花(ふういんのみこ・びゃっか)が、漆髪月夜に頼まれた夜食を持って戻ってきた。
「ありがとう、白花大好き♪」
胸の話題はもういいと、漆髪月夜がさっそくフォークへと手をのばす。
「さて、我はちょっと夜遊びに行ってくるとしようかな」
「食べていかないのですか?」
「もっといい物と酒があるのでな。お前たちが飲めるようになったら連れていってやろう。わずか少しだけ先の話だ、楽しみにしているよ刀真に月夜、ついでに封印の巫女」
そう言うと、玉藻前は外へと出ていった。
「白花のいない間に、刀真のハガキが読まれた。聞く?」
漆髪月夜が、録音した自分のラジオのデータを再生した。
「ああ、刀真さんと契約したころのことを思い出しますね……って、何ですか、最後の言葉は!」
封印の巫女白花が、持っていたお盆であわてて豊かな胸を隠した。
★ ★ ★
「ペンネーム、赤毛の立秋さんからのお便りです。
どうもこんばんわ!!放送50回、おめでとうございます!!
今回のメールテーマここ二年を振り返ってということなんすけど、自分が今のマスターとシャンバラに帰ってきたのも二年前でした。
それからはお互いに迷惑を掛け合いながらここまで来ました…まぁ俺の方ばっかり迷惑かけているんですけどね。マスターの後押しのおかげで今の彼女に思いをぶつける事が出来たりとまぁこの場では言い尽くせないくらいの迷惑をかけ、正直頭が上がりません。
シャレードさん、もしよかったらこの場でマスターに感謝の言葉を伝えてもらえないでしょうか?多分マスターもこのラジオを聞いている思うんで。
マスター、この二年間ホント世話になってます。俺マスターのパートナーで幸せッス。だからもっと俺たちを頼ってってください。俺も惇もニーナもいつでもマスターの為に身体はる覚悟は出来てますよ!!
マスター、これからもよろしく!!
ストレートなお手紙ですね。きっと思いは伝わりますよ。
本当にたくさんのパートナーがこのシャンバラに生まれましたが、ほとんどのみなさんは赤毛の立秋さんと同じ気持ちだと思いますよ。
もう一度言いましょう、これからもよろしくと」
★ ★ ★
「これって、やっぱり書いたのはリッシュよねえ」
ラジオを聞いていた水橋 エリス(みずばし・えりす)は、投稿の主がリッシュ・アーク(りっしゅ・あーく)だろうと確信して微笑みを浮かべかけたが、すぐにそれを消し去った。
いつぞやの戦い以来、たまに自分が分からなくなるときがあるのだ。このままパートナーたちと接していって、それで自分はパートナーたちの知っている自分で在り続けられると言えるのだろうか。その不安が、どうしてもぬぐえない。
語るべき言葉を探して、水橋エリスはぼんやりとラジオを聞き続けた。
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