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決勝戦組み合わせ

 
 
グレイゴーストII  vs  バルムング
 
『さあ、泣いても笑っても、ついにこのときがやって参りました。
 決勝戦です。
 第1回スーパーイコンファイトを制するのはグレイゴーストIIかバルムングか。
 今までの経過から言って、長期戦となれば多彩な攻撃を駆使するグレイゴーストIIの方が有利か。
 基本的なスペックを比べてみましょう。
 やはり第二世代機に匹敵するスフィーダを元にしているだけに、機体のスペックはバルムングの方が若干上回っています。ですが、さすがは鬼を手本とした玉霞です、その機動力はスフィーダを凌駕しています。
 武装では、多彩な武器を装備しているバルムングの方が攻守共にバリエーションがありますが、グレイゴーストIIはファイナルイコンソードを始め、霧隠れ、神出鬼行など一つ一つの装備がかなり強力です。
 パイロットの能力はどうでしょうか。
 こちらも、ローザマリア・クライツァール、フィーグムンド・フォルネウス組の方がかなりの手練れです。
 猪川勇平組の方は、セイファー・コントラクトの不慣れが痛いか。この差がどう響いてくるのでしょうか
 さあ、時間が迫って参りました。
 舞台は、ここ、シャンバラ宮殿前広場となります!』
 
 
決勝戦

 
 
『決勝戦、イーブンサイド、ローザマリア・クライツァールパイロット、フィーグムンド・フォルネウスサブパイロット、グレイゴーストII!』
 シャレード・ムーンが紹介すると、突然広場に魔方陣が現れ、その中から霧と共に腕を組んだグレイゴーストIIがスーッと浮きあがってきた。
『オッドサイド、猪川勇平パイロット、セイファー・コントラクトサブパイロット、バルムング!』
 シャレード・ムーンが名前を呼ぶと、シャンバラ宮殿前の道路がゆっくりと地中に沈んでいった。その中から、長いカタパルトが現れる。退避をうながすサイレンが響く中、バルムングが加速されて飛び出してくる。低空にあった自動車などが、ソニックブームで吹き飛ばされていった。
 機首を巡らしたバルムングが、シャンバラ宮殿と並行に上昇していく。宮殿の頂上付近で、バルムングが綺麗な反転を披露し、一気に急降下に移った。
 同時に、スフィーダレーザーで地上のグレイゴーストIIを狙い撃つ。だが、距離がある攻撃を、グレイゴーストIIは軽々と避けた。直後に、グレイゴーストIIが大きくジャンプする。スフィーダレーザーのチャージ前に、変形すら許さずにファイナルイコンソードで叩き斬るつもりだ。主力兵器の間隔を読めば、優位に立つことは容易い。
「どちらだ、右か、左か……」
「正面!」
 ブレス・ノウを使ったセイファー・コントラクトの声に、猪川勇平が超電磁ネットを発射した。さらに、変形する。
 グレイゴーストIIが、超電磁ネットに機体をつつまれて機能の大半を麻痺させた。
「ネットごと叩き斬る!」
 ローザマリア・クライツァールが、そのままビームサーベルをバルムングにむけようとした。だが、やはり動きが鈍い。
 落下スピードを加味して、バルムングがすれ違い様にスフィーダソードを振り下ろして強襲をかける。わずかに動きが追いつかなかったグレイゴーストIIが、半身を持っていかれた。
 グレイゴーストIIの背部から脱出カプセルが射出された後に、グレイゴーストIIが空中で自爆する。負けた場合、機体を鹵獲されないための装置だ。
 グレイゴーストIIの機体の破片が降り注ぐ中、バルムングがブースターを全開にして制動をかけていた。
 このままでは地面に激突だ。
 全エネルギーを、原則のための力場生成に回しつつ、水平飛行に移ろうとする。
 それでも、無理な加速は消しきれず、地上に機体を激しくこすりながら、バルムングが滑っていった。
 足一本ががたがたになる。だが、それでやっとバルムングが止まった。
 
    ★    ★    ★
 
『勝者、バルムングです!!』
 
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「よく戦った」
 シミュレータから出て来たローザマリア・クライツァールとフィーグムンド・フォルネウスが、メインスクリーンの中で空中の煙と化したグレイゴーストIIにむかって敬礼した。