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リアクション
18.初夏の街の買い物
空京の街にて。
シャーロット・モリアーティ(しゃーろっと・もりあーてぃ)は、
セイニィ・アルギエバ(せいにぃ・あるぎえば)とともに、
新作の夏物を一通りそろえようと、買い物にやってきていた。
夏服はもちろん、水着や、浴衣などもそろえようと、
ゆっくりとお店を回って楽しむ。
お互いに試着の感想を言い合ったり。
お互いに似合いそうな服を相談しあったりと、
ゆったりと、楽しい時間が過ぎていった。
浴衣売場にて。
セイニィの着替えた浴衣を見て、
シャーロットは目を丸くする。
白地に、青の花をメインであしらった模様。
伝統的な、朝顔柄の浴衣である。
「清楚で素敵ですね。よく似合ってますよ」
シャーロットは、セイニィに笑顔を向けて言った。
「ほんと?
じゃあ、これにしようかな」
セイニィも、ストレートな賛辞に悪い気はしないのか、微笑を浮かべる。
「シャーロットも選んで来れば?」
「そうですね……」
「ほら、これなんかどう?」
セイニィは、シャーロットに、涼しげな柄の浴衣を勧めた。
「シャーロット、こういう落ち着いた感じのが似合うんじゃないの?」
「ありがとうございます。
夏らしくて、すてきですね」
「そうね。じゃあ、着付け、手伝ってあげるわ」
「ありがとうございます」
セイニィは笑顔でうなずき、
シャーロットが浴衣に着替えるのを手伝った。
2人は、そろって浴衣姿になり、
鏡の前に並ぶ。
「このまま、縁日か何か行ってみたいですね」
「そうね。でも、さすがにこのまま歩くのはダメでしょ。
今日は草履も持ってきてないし」
「残念です」
ふふ、と、2人は笑みを交わした。
「せっかくですし、もう1着ぐらい着つけてみません?」
「うーん、そうだなあ。せっかくだし、いっか」
2人はそう言って、
新たな浴衣も試着してみた。
結果として、今日の2人の買い物袋は、
かなり大きくなっていったのだった。
その後も、ゆっくりと買い物を楽しんでいると。
ふと、セイニィが、シャーロットに声をかけた。
「あのさ……」
「どうしたんですか?」
振り返ったシャーロットに、セイニィは真面目な表情で言った。
「あたし、ずっと、その……答えを先延ばしにしてたじゃない?」
セイニィの言葉に、シャーロットはじっとその瞳を見つめる。
「そろそろ、答えを出す時期かなって、思って。
だから、今度会う時までに、気持ちの整理をしておこうかなって、思ってさ」
セイニィは、そこまで言うと、微笑を浮かべた。
「って、今日は、まだ、お買い物楽しみたいし!
ほら、次行こ、次!」
セイニィは明るく言うと、シャーロットの手を引いて駆けだした。
シャーロットは、セイニィに手を引かれながらも、その言葉の意味を、考えていた。