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第四篇:クロセル・ラインツァート
同日 某時刻 海京某所
「ラーメン屋は、その僅かなお代から利益を上げ、その利益を基に更なる味の向上を図るのです」
一方その頃、実里は一人の若者と相対していた。
彼女と相対しているのはクロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)。副業である闇鍋奉行として、影ながらSON団を支援すること決め、キメラーメンのの成長の結果を見届けることを決意した彼は、その目的にとって障害となる実里の戦意を削ぐべく、彼女の無銭飲食を糾弾していたのだ。
「お代を払う事はラーメンへの最大の賛辞であり、ラーメン業界の更なる発展を後押しする行為なのです」
容赦の無いクロセルの糾弾に、さしもの実里も怯む。先程からぐうの音も出ず、この舌戦においては防戦一方を強いられていた。
「無銭飲食を行った貴女は寧ろラーメンの敵と言えましょう!」
痛いところを突かれ、更に怯む実里。そして、この機を逃さず、更なる口撃で畳み掛けるクロセル。
「過ちは早々に正すべきです。さあ、踵を返しお代を払いに行くのです!」
正論に反論を封じられ、歯噛みする実里。どうやら、この舌戦はしばらく続きそうだ。その意味では、実里という戦力を無力化し、キメラーメンを援護するというクロセルの目的は達成されているのかもしれない。
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