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チャイルド☆パニック

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チャイルド☆パニック

リアクション

 火樹とリオナがプラスチックで出来たアスレチック内で追いかけっこをしている時、朱雀が目を覚ました。

「んん……あれ?」

 気が付くと周囲には誰も知り合いが見当たらない為、不安になる朱雀。
 続いて自分が小さくなっていることに気が付く。

「ふえぇぇぇ! な、なんでちっちゃくなってるのー!? り、りおな。そうだ、りおな、どぉこ?」

 きょろきょろとあたりを探すがリオナの姿は見当たらない。

「うわぁーん、いないよー!」

 パニックに陥って泣きながらそこらじゅうを探し始めた。



◇          ◇          ◇




「そうですか。遊びを中断させてしまってすみません」
「いいえ。あまりお役に立てなくてこちらこそすみません」

 なぜ子供になってしまったのか、戻る方法はないのかと情報を集めていた風雅はフェイとジェイに話をしていた。

「悪いな。あんま役立てなくてよ」
「いえ。大抵の人は知らない間に子供になっていたみたいですから、お気になさらず」
「なんか分かったら出来れば教えてくれよな」
「えー。まだ戻らなくて良いじゃないですか」
「そんなわけあるか! 俺は元に戻りたいんだっ」
「あ、あの……なにか情報が掴め次第お伝えしますね。では!」

 ちょっとした言い合いをしているジェイとフェイに、早口でそれだけ言うと風雅はその場を離れた。

「ふぅ……やはり情報は掴めませんね。そろそろ別の部屋に移動しましょうか」

 部屋を出ようとした風雅はまだ話を聞いていなかった子供、三つ葉と蒼牙を発見した。

「そうですか。やはりここには原因の根源はありませんか」
「そうだね。分かってるのはこれはモニター試験だってことだけかな」
「すみません、ちょっと良いですか?」
「ん? なーに?」
「どうかしましたか?」
「ボク、気が付いたらここに子供の姿でいたんですが、キミたちはなにか原因を知らないですか?」
「あなたもこの原因を探っている人なんですね」
「うちらも元に戻る為に動いてるんだ」

 三つ葉と蒼牙は集めた数少ない情報を風雅に教える。
 風雅も情報を集めていたが、いまいち集まられなかったということを伝える。

「ところでモニター試験とは一体?」
「あれ? そっちには来なかったの?」

 頷く風雅に三つ葉はかいつまんで子供ライフのモニター試験の事を教えた。

「なるほど」
「そんなにその手紙を読んでここに来たって人はいないんだよねー」
「自分はその手紙を読んで来たんですけれども、やはり元の姿の方が良い事が分かりました。自分には守るべき人達がいるのですから。なんとかして犯人を捕まえましょう……」
「でも、原因が手紙ってだけじゃどうにもならないんだよねーこれが」
「では、企画者のもとへ行って元に戻るように頼んでみてはどうでしょうか」
「あっそれナイスアイディア!」

 企画者を探すということを話していると、ルナとリリスがばらばらにそれを聞いてこちらにやってくる。

「あの、もしかして元に戻るように原因を解明しようとしているのですか?」
「良かったらあたしも混ぜてほしいんだが。ガキのころの姿はあんま見られたくねぇんだよ」
「もちろん! 人数は多いに越したことないですから。風雅と三つ葉もそれでいいですか?」
「はい」
「よかったです。これで今晩の夕飯に間に合わせられたらなお良いのですけれど」

 リリスはほっとして近くで本を読んでいたナインに一言言ってくる。

「ナイン様、少々この場を離れますね」
「ん……」

 本に視線を向けたまま頷くナイン。
 リリスはそれを受け、三つ葉たちの所へ戻ってくる。

「すみません。お待たせしました」
「ううん、大丈夫だったの?」
「はい」
「……やっぱりなーんか知ってる臭いがある気がすんなぁ」

 ショートウェーブの髪型にちょっとヤサグレた感じのするルナは、戻ってきた上品そうな姿をしているリリスを見てそうつい呟く。

「何かおっしゃいました? もしあの駄猫だったら嫌ですが、まさかここにはいませんよね」

 リリスは見覚えのあるルナにそう言い返す。
 睨み合う二人。
 ナインは本を読むふりをしながら、ロリ化したその二人を見ながらニヨニヨしていた。