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チャイルド☆パニック

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チャイルド☆パニック

リアクション

「りおなー……ぐすっ。リオナどこなのー」

 半泣きで朱雀はリオナを探し続けていた。

「どうしました? そんなに泣いて」
「えぐっ……リオナがいないの」
「逸れちゃったんだ」
「どんな容姿をしているか話せますか? もしかしたらすれ違っていたかもしれませんし」

 泣いていた朱雀に風雅は話しかける。それを聞いて朱雀は簡単にリオナの容姿を話す。

「ふむ赤目に褐色の肌をしていて、乳白金のロングヘアな男性なんですね」
「うん」
「誰か思い当たる人はいませんか? ボクは一人思い当たる人がいるのですが」
「うちはわかんない」
「あたしも」
「私も分かりません」

 それっぽい人物を知っていたのは風雅だけだったので、朱雀に幸薄な少女(火樹)を追いかけている男性かもしれないとプラスチックのアスレチックがある方を教えた。

「なんで別の女の子を追いかけてるんだよ……ありがと、そっちに行ってみる」

 朱雀は風雅に教えられた方へ向かって走っていく。



◇          ◇          ◇




「ぜー…はぁ……ぜぇ……」
「やはり私の目に狂いはありませんでした!」

 身長的なものや精神的な事もあり、抵抗空しくゴスロリ姿になってしまった火樹。

「りおなー、りーおーなー。どこぉ返事してよー」

 朱雀が自分を探していることに気付きながら、ちょっとだけ嫉妬させようと火樹の写真を撮り始める。

「おい! 撮るなよ」
「こんな可愛らしい姿を撮らずにいられませんよ」

 パチリパチリと写真を撮っていると、ようやくリオナを見つけた朱雀がやってくる。

「くそが……」
「ごめんなさい。初めから止められていればよかったのだけど」
「いや、ノースのせいじゃないさ。アイスをこの変態の傍に近寄らせんなよ」
「わかったわ」

 ゴスロリ姿で元の姿だったならばかっこよく決まったであろうが、薄幸少女ではそれは決まらなかった。

「リオナ! どこに行ってたのさ〜」
「……さぁ、次はこのぬいぐるみを持って下さい!」
「断る!」
「そう言わずに。はい」

 朱雀のことをわざとスル―するリオナは、白ウサギの大きなぬいぐるみを火樹に抱かせる。
 不貞腐れながら写真を撮られる火樹。

「りおな……ぐすっひっく……うわーーーーーん!!

 リオナに無視され泣き顔だった顔がさらに歪み、ついに泣きだしてしまう朱雀。

「泣かないで? 彼はあなたの知り合いですわね」
「……うん。でもなんで俺を無視するんだよ……」
「もう男の子でしょう。ほら、涙を拭いて」

 ぼろぼろ涙が流れる朱雀を持っていたハンカチで優しく拭ってやるノース。
 そんな朱雀とノースのやりとりを見てリオナは、始めに仕掛けたのに嫉妬してしまう。

「朱雀に触らないでください!」

 ノースから朱雀を奪い返すようにして抱きしめるリオナ。

「すみません。少々嫉妬させたくてこのようなことをしてしまいました」
「酷いよ……」
「愛しているのは、貴方だけです。小さくても気にしません」
「リオナ……」

 ピンクな甘い雰囲気が二人を包む。
 抱きしめ逢いながら朱雀は幸せの歌を歌い出す。

「今のうちに行くか……」
「そうね」
「早く行こうよぉ」

 そっと火樹たちはそこから離れていった。
 朱雀とリオナはそれに気付かず二人だけの世界に浸っている。