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―アリスインゲート1―前編

リアクション公開中!

―アリスインゲート1―前編

リアクション

「ここは……何処かな?」
「ここは……何処よ?」
「ここは……何処ですか?」

「「「……」」」

 三人は当然、迷子になっていた。
 三人集まれば文殊の知恵とか女三人寄れば姦しいとか言うが、迷子が三人集まっても迷子にしかならない。
「で、どうするのよ。列車に戻るんじゃなかったの」
 起こり気味なフレリア。
「そんなこと言ったて、どういけば戻れるんです?」
 眉寄せるヴェルリア。
「二人とも落ち着いて。ともかく動きましょう。歩いていればいつか着きます」
 アリサが二人を宥める。
「それもそうね」
「そうですね」
 迷子の危険な思想に納得する他の迷子たち。そこに着くまでどれくらいかかるのだろうか?
「それじゃ……」

「「「こっちへ行きましょう」」」

 南だけが指されていなかった。
 ちなみに、南に行くと列車まですぐだ。
 迷子たちが居るのはすでに国境の町だった。いつの間にかグリーク国国境から抜けていたのだが、彼女たちが気づくはずがない。何処に行くのか揉める。

 そして、迷子たちが気が付かない事がまだあった。
 後ろにそれが迫っていることに。
「で、どうするんですか――ん?」
 アリサが後ろから自分を覆う影に気づく。振り向くそこには――
 大きな『くまちゃん』が立っていた。
 大きなきぐるみの『くまちゃん』がじっと立っているのを見て三人が固まる。
 愛らしい『くまちゃん』はアリサを脇に抱えて回れ右。

―!!

 筆舌しがたいスピードで消えていった。


「「…………拐われた!?」」


                           To be continued