シャンバラ教導団

リアクション

プロローグ

　黒衣の男が、ルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）、ルカルカ・ルー（るかるか・るー）、ダリル・ガイザック（だりる・がいざっく）およびルース・マキャフリー（るーす・まきゃふりー）の四人を呼び出し、射手座の闘衣を回収せよとの指令を伝えた。
　理由は不明。
　だがその人物の正体はわかる。枢機卿（カーディナル）。リッターたちを束ねる最高位の聖職者。
　とはいえ、枢機卿は枢機卿。彼らは命令に従い、手駒を集め始めた。
「まあ、理由は言えないが射手座の闘衣を回収することになった。報酬も支払われる。我こそはと思うものは集うがいい」
　双子座のダリルがそう言うと、集まった荒くれ者どもははやし立てた。
「鎮まりなさい！」
　山羊座のルカルカが一喝し、仮にもここは神聖な場よ、とたしなめると荒くれどもはピタリと静まった。
「ルカルカ様、ダリル様、ルース様よろしいですね？」
　孔雀座のルミーナはルカルカ、ダリルとルースより階級が低い白銀位（ズィルバーリッター）なので、丁寧な言葉づかいで接する。
「いいよ！　現場の指揮はルミーナがとってよね！　ただし、他の黄金位（ゴルトリッター）には気を使いなさいよ」
「はっ！　存じ上げております」
　ルミーナは一礼すると、荒くれ者どもに命令を出した。
「いざ、出撃ですわ！」
　荒くれ者の鬨の声とともに、聖域の門は開かれた。
「はてさて、どうなることやら……」
　ルースはそうぼやきながら、聖域を後にした。