校長室
魔に魅入られた戦乙女
リアクション公開中!
エピローグ 宿り樹に果実に戻ると、元気になったキィちゃんがミリアとみんなを出迎えた。 「みなさん、本当にありがとうございました。感謝の気持ちを込めていつも以上に腕を振るいますので、楽しんでいってくださいね!」 活気を取り戻したカフェテリアの中で。 事件でパートナーの大切さを再確認し、各々が一緒にいられることを喜んだ。 「変な事件でしたねぇ」 無事にオルカ・ブラドニク(おるか・ぶらどにく)と再会したクロト・ブラックウイング(くろと・ぶらっくういんぐ)はぼんやりとグラスを片手に呟いていた。 「みんな無事でよかったよ~」 そこに、借りてた上着を持ってアリア・セレスティ(ありあ・せれすてぃ)が声をかける。 「あ……どうも、ご無事でなによりです」 「どうしてそんな丁寧に喋ってるの?前会ったときみたくタメ口でいいよ」 実はこっちが普通なんだけどな、と苦笑しつつ。クロトは互いの無事を祝って、アリアと乾杯した。 「ミリアさ~ん!!あなたのロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)ですぅ。実物もすっごく素敵ですぅ~」 「アラ、ありがとうございます」 ほろ酔いに任せて、ロザリンドはミリアに抱きついた。それを、シルヴェスターが引っぱがす。 「今はわしが話とるんじゃけぇ、ちょっと待ちぃな」 ロザリンドとシルヴェスターがその場でミリアを取り合いを始める。照れが少ない分、ロザリンドが優勢のようだ。顔を赤くしながらオロオロする珍しいパートナーを、ガートルード・ハーレック(がーとるーど・はーれっく)はジュースを飲みながら見守った。 「ミリアさん無事でしたのね……よかったじゃないですの」 喧騒に紛れて、他の人には聞こえないのを確認してから崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)はキィちゃんに話しかけた。 「お持ち帰りしたい心境ですけど、仕方ありませんわね」 「グルルル……」 喉を鳴らしながら、ふいに頬をべろりとなめられて、亜璃珠は顔の筋肉が緩むのをとどめる為に感謝パーティが終わるまでの間ずっと、精神統一に励まなければならなくなった。やっぱり鷹野 栗(たかの・まろん)にはその辺の葛藤が駄々漏れだったようだが。 雪だるま王国の面々も、すっかり盛り上がっていた。なんと言っても領土である。 それに加えて、クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)とラスティ・フィリクス(らすてぃ・ふぃりくす)が何だかすっかり打ち解けていい感じになっているので、見ている側もニヤニヤ半分、イライラ半分で酒のサカナにする。……からかいが通用する相手かどうかはこの際置いておく。 数日後。 ヴァルキリーが起こした事件ということで、石造りの神殿はザンスカール家が調査のために差し押さえられてしまった。 「理不尽だ!!」 雪だるま王国は自国の領土としてザンスカール家との交渉を求めているが、残念ながら要求が通る見込みは今のところないらしい。
▼担当マスター
はまもさき
▼マスターコメント
はじめまして。はまもさきです。 最初の執筆ということで戸惑いも多かったですが、みなさんのアクションのおかげで楽しく書くことができました。 魔に魅入られた戦乙女、皆さんにも少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。 また別のシナリオでお会いできるのを楽しみにしております。