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第一章 冒険屋御一行様
「ここがシャンバラ国際スキー場か……なかなか良い雰囲気の場所だな」
観光バスに揺られること数時間。降車口から出てきたレン・オズワルド(れん・おずわるど)は、目の前に広がる白銀世界を見て素直に感嘆の吐息を漏らした。
「みなさ〜ん! ここが今回宿泊させていただく【シャンバラ国際スキー場ホテル】ですよ。くれぐれも、はしゃぎすぎないようにお願いしますね!」
レンに続いてバスから降り立ったパートナー、ノア・セイブレム(のあ・せいぶれむ)は、まるでバスガイドのように仲間達を誘導する。
そして、彼女が手に持つ『冒険屋御一行様!』と書かれた旗に続き、観光バスからは【冒険屋ギルド】のメンバーたちがゾロゾロと降りて来る。
「おぉ、すげぇ! ホテル、超豪華じゃん!」
「見てみて! 息が真っ白だわ!」
「あぁ、早く俺のスキーテクニックを皆に見せてやりたいぜ」
「どうせ、コケて雪だるまになるのがオチよw」
目の前に建立する立派なホテルとたくさんの人で賑わうゲレンデを見て、一気に興奮するメンバーたち。
だが、今にも駆け出してしまいそうなメンバーたちを、ノアが手旗を振って制する。
「みなさ〜ん! とりあえず、部屋を確認して荷物をおきましょう。それ以降は夕食まで自由行動なので、スキーに行こうが温泉でゆっくりしようが構いません。くどいようですけど、くれぐれも、はしゃぎすぎないようにお願いしますね!」
「「は〜い!」」
ノアの後に続いてホテルへと向かうギルドのメンバーたち。
そんな彼らを見てレンは――
「まるで小学生の林間学校だな。まぁ、このぐらいが丁度いいかもしれないな」
普段の騒がしい日々とは無縁のほのぼのとした光景に、思わず笑みがこぼれた。
「レン〜! 早く行きますよっ!」
「あぁ。今行く」
こうして、【冒険屋ギルド】の羽を伸ばすための休暇が始まったのだった。
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