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【ニルヴァーナへの道】決戦! 月の港!

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chapter.28 パワードスーツの影武者との戦い 


「さぁて……頑張ってみようかねぇ」
曖浜 瑠樹(あいはま・りゅうき)は、
たいむちゃんのためにも、ブライドオブドラグーンの護衛に気合いを入れていた。
パートナーのマティエ・エニュール(まてぃえ・えにゅーる)は、
光学迷彩を使用して聖を護衛している。
そのことは、一緒に行動している仲間たちには伝えてある。

また、漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)は、
長曽禰少佐に、
パワードスーツの構造上どうしても防御が弱くなってしまう場所を、
あらかじめ確認していた。
(大丈夫。刀真たちならきっとやってくれる)
月夜はラスターハンドガンを握りしめた。

斥候に立っていた
ラック・カーディアル(らっく・かーでぃある)が、台座を発見する。
「あれは!
黒い3人組!」
ラックの前に、すぐにアルベリッヒの影武者3人組も現れる。

「うちの大ぐらいちゃんが頂点に納めてしまえばこっちの勝ちだよ」
ラックの合図で、
イータ・エヴィ(いーた・えびぃ)が、
派手に動いて台座へと向かって見せる。
剣の花嫁であるイータが、
ブライドオブドラグーンを体内に持っていると思わせようとしたのだった。

「どいてもらう!
俺たちの邪魔はさせない!」
氷室 カイ(ひむろ・かい)の手加減なしの一撃が、影武者の一人を襲う。
すんでのところでかわす相手だが。
「守りの戦いこそ騎士の本分!
私達の連携をなめないでいただきたい!」
サー・ベディヴィア(さー・べでぃびあ)が立ちふさがる。
「ブライドオブドラグーンには近づかせませんよ!」
リラ・プープルロート(りら・ぷーぷるろーと)が、目くらましの光術を放つ。

カイたちは、わざと、イータをかばうように動いて見せ、
敵の注意を引きつけていた。

(パワードスーツの性能に頼っていると思っていたが……。
中の人間もなかなかの手練れのようだな)
樹月 刀真(きづき・とうま)が、パワードスーツの影武者たちの隙を伺う。

「二度、同じことはさせない!」
クローラ・テレスコピウム(くろーら・てれすこぴうむ)は、
台座付近の伏兵にも警戒していたが、いないのを確認すると、
レーザー銃で攻撃する。

「どれだけやれるかねぇ……お互いに」
その身を蝕む妄執で、瑠樹が隙を狙う。
マティエも、身を隠したままで死角から斬りつける。
(たいむちゃんが無事、故郷に帰れるよう……私も、頑張ります!)

影武者たちは高位の契約者のようだった。
3人は連携しながら、攻撃を行う。

「だが。
実力も、覚悟も、俺の方が上だ!」
「マスターの御心のままに!」
カイとサー・ベディヴィアが猛攻を加える。
「本物の騎士道がどのようなものか、貴公らに見せて差し上げましょう!」
サー・ベディヴィアは、偽の騎士たちに宣言する。
(たいむちゃんの夢、その先に何があるのかわからんが……)
「護るべきもののため、全力を尽くさせてもらう!」
カイの黒刀【月卿雲客】が、影武者の一人のパワードスーツの関節部を砕く。

「所詮は、テメエ等はまがい物だ!」
刀真は、影武者の攻撃を受け流し、
肩を蹴りあげて跳躍する。
「そこっ、狙い撃つ!」
月夜が、後ろにいたもう一人の影武者の目の部分を撃つ。
「!」
「終わりだ……顕現せよ、黒の剣!」
刀真が、利き腕の右手で、黒い刀身の片刃剣『黒の剣』を振るう。
予想外の光条兵器の攻撃で、
頸動脈を斬りつけられた影武者が倒れる。

その後の展開は一瞬で終わった。
一行は連携して、全員で影武者たちを倒した。
いくら手練れであっても多勢に無勢では、
一度できた流れを止めることはできなかった。



「やりましたね」
「ああ」
聖はにっこり微笑んで、教導団員のクローラはじめ、
全員でブライドオブドラグーンを台座に収めたのだった。