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リアクション
■空中要塞との戦い2
ハイコドに送り出された【八岐大蛇】メンバーは、
空中要塞に接近した。
「でかいねー……」
佐々良 縁(ささら・よすが)が、誰にともなくつぶやいた。
一行がいるのは、巨人の姿になった空中要塞の、ちょうど肩のあたりである。
それでも、平らな部分だけでも、
ちょっとした運動場くらいの大きさがあった。
「団長のた……
いや、ゾディアック守るためにも
ヒラニプラには一歩も入れさせねえ!
頼んだぜサラマンディア!!」
土御門 雲雀(つちみかど・ひばり)が、パートナーに呼びかけ、小型飛空艇を走らせた。
「くっ、熱くなりすぎっと火傷すんぜ? チビ」
サラマンディア・ヴォルテール(さらまんでぃあ・う゛ぉるてーる)が答えた。
「まとめて焼いてやる!」
雲雀が、ファイアストームでワイヤーを攻撃し、隙間ができた。
「よし、おねえちゃん、行ってきなあ!」
東條 カガチ(とうじょう・かがち)の掛け声とともに、
エヴァ・ボイナ・フィサリス(えば・ぼいなふぃさりす)の
小型飛空艇が、ワイヤーの中に突っ込んだ。
(大丈夫。
私には前女王が遺され現女王が引継がれた「女王の加護」があります)
わざとワイヤーに小型飛空艇を近づけたエヴァは、
そのまま取り込ませて要塞に取りついた。
「っ、く!」
エヴァの身体が、ワイヤーに巻き込まれてそのまま締め上げられそうになるが、
「エヴァさん!」
蓮見 朱里(はすみ・しゅり)と
アイン・ブラウ(あいん・ぶらう)の乗った小型飛空艇が接近して、
アインが身を割り込ませる。
「僕が押さえる。
今のうちに、早く!」
「うん、すぐ終わらせるからね、アイン!」
朱里が答えて、エヴァを連れ、要塞に着地する。
その中、機晶姫のアインを捕えようと、ワイヤーが伸びてきた。
六連ミサイルポッドと、
ライチャススピアで弾き飛ばすアインだが、切っても、すぐに新たなワイヤーが迫ってきた。
「どこかに、機晶エネルギー感知センサーや、
吸収装置みたいなものがあると思うの」
アーティフィサーの朱里が、予想を述べた。
「おそらくは、外壁のどこかに……エヴァさん!」
「ひどい……」
身体をワイヤーで刺し貫かれた機晶姫が、朱里とエヴァにとびかかってきたのだ。
朱里とエヴァが、協力してワイヤーを切断し、機晶姫を助け出した。
二人はすぐに、機晶姫に命のうねりやヒールをかける。
機晶姫の身体から取り出したワイヤーの先端には、楔のようなものがあった。
これを穿つことで、機晶姫やイコンの制御は奪われているようだった。
「許せないよ、こんなの」
朱里が、珍しく怒りをあらわにしながら言った。
「おーい、大丈夫?」
佐々良 縁(ささら・よすが)が、
天達 優雨(あまたつ・ゆう)とともに、それぞれ箒に乗って、
助け出された機晶姫に近づいた。
「お願いします……パートナーがまだ、イコンのコックピットに……」
「そうか、助けを求めて出てきたら、アレに捕まっちゃったのか」
縁に、機晶姫がうなずいた。
「縁さん、私がこの子を運んでる間に、行ってください〜」
優雨が言った。
「うん、まかせたよ!」
縁が、半壊したイコンに接近して、コックピットの中の様子を探った。
血を流して倒れていた男子生徒を担いで、
出ようとした時、イコンの腕が伸びてきた。
「わっ……と!」
縁が、イコンの腕を避けて、ストロベリースターと名付けられた箒で飛び去る。
「イコンが壊れかけてるのが幸いしたね。
動きが鈍くなってて助かったよ」
他方、アインに、またも、ワイヤーが迫ってくる。
「ここにある、機晶エネルギーを利用すれば!」
朱里が、ライトニングブラストを使用した。
電流がほとばしり、アインを操ろうとするワイヤーを破壊した。
「このまま、生身で張り付くのは危険かもしれませんね」
エヴァが言った。
「ああ、これ以上、朱里たちを危険な目にあわせるわけにはいかない」
アインが言った。
自分の危険については、二の次だった。
「ヒャッハー!」
そこに、ゲブー・オブイン(げぶー・おぶいん)が、
パートナーホー・アー(ほー・あー)のドラゴネットとなった姿、
苗床ドラゴネット・ホー・アーに乗って飛んできた。
「誰に断って触手プレイをしてやがる!
おっぱいいじりをメカ触手ごときにやらせはしねぇぜっ!!」
「自然破壊メカは許さないのである!」
「いけ、ホー!」
ホーがワイヤーをちぎる。
「やれ、ホー!」
ホーがワイヤーを投げる。
「そこだ、ホー!」
ホーが、ワイヤーを切り裂く。
その時、ゲブーは、機械の塊の中のなめらかな曲線を目ざとく発見した。
「おお、あそこにおっぱいが!
機晶姫のおっぱいが隠れてやがるぜ!」
ホーから飛び降りたゲブーが、
光るモヒカンを振りかざしながら、ワイヤーをものともせずに近づく。
「おっぱいは無事か!」
ゲブーが機晶姫の胸をもみながら言った。
「う、うーん」
「大丈夫みたいだな!」
機晶姫の意識を確認したゲブーが言った。
「何をしてるんだ、君は!」
「あべしっ!?」
アインがゲブーに駆け寄ってはり倒す。
「大丈夫?」
朱里が、助けた機晶姫に命のうねりを使用した。
「助けたお礼におっぱい! おっぱい!」
「ちょっと、だまりましょうね」
「げぶう!?」
エヴァが、モンキーレンチでゲブーを殴る。
「どうもありがとうございます」
機晶姫が、礼を言った。
「俺様が助けたのに、なぜ……」
突っ伏したままのゲブーが言った。
「よしきた、おっぱい!
じゃねえ、そろそろずらかろうぜ!」
上空からカガチが声をかける。
「自分が隙を作っている間に、離脱するであります!」
雲雀が、皆に呼びかけて、ファイアストームの詠唱を開始した。
他の場所にいた仲間にも、携帯で連絡を行い、
【八岐大蛇】のメンバーとゲブーたちは、全員、無事に離脱した。
狩生 乱世(かりゅう・らんぜ)が、
仲間が脱出したのを携帯で確認して言った。
「効果的な爆破ポイントはなかったみたいだけどよ、
生身で戦えないなら、やるしかないよなあ?」
「御主人様、あんまり、無茶は……」
尾瀬 皆無(おせ・かいむ)が、涙目で首を振った。
「皆無、お前は無敵の悪魔だ。どんな危険も平気な、殺しても死なないスーパータフガイだ」
乱世が笑顔を浮かべる。
「当然、やってくれるよな? つーか、やれ」
かくして、乱世の命令により、
皆無が、乱世の破壊工作で爆薬を満載にした小型飛空艇で単身、突っ込んでいった。
「頼むから、ちゃんと助けてよー!?」
小型飛空艇にワイヤーが迫ったところで、
乱世が、召喚を使用する。
皆無が連れ戻され、ほどなくして、轟音が響き渡った。
「よし、よくやった。じゃあ、イコンに乗って今攻撃した場所を射撃するぞ」
「うう……」
乱世が無理やり、ぐったりした皆無を引きずっていった。
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