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リアクション
■□■6■□■ 試合終了間近! 残り2分の必殺シュート!!
そのころ、
コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)は、
ざんすかとツァンダの町の精 つぁんだ(つぁんだのまちのせい・つぁんだ)に、
ざんすかザンギと腹黒やきそばを差し入れして試合を手伝ってもらおうとしていた。
「これ、好物なんだよね?
ざんすかとか腹黒とか名前に入ってるし」
ご当地ちぎB級グルメのフェアで作られた料理だが、
それぞれ、ざんすかを香りづけに使ったから揚げと、
つぁんだとクロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)を鉄板で痛め……炒めたやきそばである。
「誰が好物かざんす!
そんなもの食ったら共食いになるざんす!」
「腹黒なのはクロセルだけだよ!
その証拠に、もとは『つぁんだ焼きそば』っていう名前だったんだ!」
「おや? 俺を噂する声が。ファンのチビッコでしょうか」
仮面の外れているクロセルが話を聞きつけるが、
「誰かわからない人」として空気扱いとなっているため、発言権はない。
「えっ、そうなの?
てっきり、僕にとってのミスドのドーナツみたいなものかと……」
ちなみに、今日もおやつとして、コハクはドーナツを持ってきていた。
「油で生きたまま揚げられるとか……
嫌な事思い出させやがってざんす!」
「ぎゃあああああああああ!?
なんで僕がぶっ飛ばされるんだ!
持って来たのはコハクだろ!?」
ざんすかがつぁんだごと美羽にボールをパスする。
「ああ、はじめて存在を認識されないことがこんなにうれしいと思いましたよ」
ざんすかがクロセルをクロセルと認識していたら
いっしょにぶっ飛ばされていたに違いない。
そのころ、小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)は。
「ダーくんに呼ばれた助っ人として、ボールも傾国選手も蹴って蹴って蹴りまくるよ!
キックなら誰にも負けないよ!」
王のため、美羽が、つぁんだと一緒に飛んできたボールごと、
斎賀 昌毅(さいが・まさき)と
マイア・コロチナ(まいあ・ころちな)を蹴る。
「げしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげし」
「うわあああああああ、500発だって!?」
「きゃあああああああああ」
「相変わらずスカートの中がまるで見えないなんて、なんて恐ろしいんだ!」
「これが乙女の魔法よ!」
美羽が決め台詞を放つ。
傾国25(&ネージュ) − 泥悶24
追い上げる泥悶。
★☆★
さらに。
桐生 円(きりゅう・まどか)のシュートが決まる。
「無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様無様だねぇ♪」
円のフラワシ『ティアーズ・ソルベ』の冷凍ビームと、
合体させたもう1体のフラワシ『ハバネロ・タイラント』の焔の弾丸で、
ディフェンダーを妨害するシュートだった。
傾国25(&ネージュ) − 泥悶25
ついに同点になる。
だが、残り時間は2分しかない。
「これは、一気に猛攻をかけるしかありません」
全身パワードスーツ姿の
ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)が、
至極当然のことのように、円の足をつかんでフルスイングする。
「サッカーではハンドは反則、相手の体を掴んだりするのも反則。
ですが、味方を掴んでその体でボールにアタックするのは反則とはルールに書かれていません!」
「ぎゃああああああああああああ!?」
野球のバットかゴルフのドライバーのように、
ロザリンドは円を振り回した。
しかし。
「その程度、弾いて見せますよー。首ごと斬り落として差し上げます♪」
藤原 優梨子(ふじわら・ゆりこ)や、
南 鮪(みなみ・まぐろ)、
風森 巽(かぜもり・たつみ)、
高崎 悠司(たかさき・ゆうじ)、
葛葉 杏(くずのは・あん)、
エッツェル・アザトース(えっつぇる・あざとーす)、
緋王 輝夜(ひおう・かぐや)、
ネームレス・ミスト(ねーむれす・みすと)
といった傾国メンバーが復活する。
「珠代さんの前で、そんな殺禍が通用するかァー!」
「防いで見せるっ!」
珠代ファンのメンツにかけ、鮪や巽も言う。
「しぬ! しんじゃう!」
「ヒャッハァー! エロスとタナトスは表裏一体だぜェ!!」
「って、パワードスーツ越しにパンツ奪われました!?
しかも、空大生らしく難しい言葉使って!
ですが、今は気にしません!」
「二人とも……がんばって!」
泥悶のサポーター、
七瀬 歩(ななせ・あゆむ)が電柱の陰から、円とロザリンドを応援する。
「突き突き突き突き突き突き突き突き突き!!」
鮪にパンツを奪われた円とロザリンドだが、
ロザリンドはひるまず、
円の身体を槍にして、復活した傾国メンバーを全員ぶっ飛ばす。
「「「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」」」
「ハイパーランサーッ!!」
傾国メンバーごと円とボールをゴールに叩き込むロザリンドであった。
傾国25(&ネージュ) − 泥悶26
ついに、泥悶の逆転であった。
★☆★
「あ、あ、ああ……」
全身ズタボロとなり、死にかけている円に、
応援していた七瀬 歩(ななせ・あゆむ)が近づく。
「円ちゃん、立って!
円ちゃんたちの練習はこんなのじゃ終わらないはずでしょ!
お願い、もう一度立って!」
「な、なに言って……」
「最初は、中学生の試合に参加するなんて、大人気ないかもって思ったの。
でも、リンさんと円ちゃんは毎日、夜遅くまで練習してたんでしょう!?」
そこに、救護役の
神代 明日香(かみしろ・あすか)がやってくる。
メイド服に救護係っぽい帽子をかぶっている。
「いたいのいたいのとんでいけ〜」
明日香が、満面の笑みで円におまじないをして、にこにこと見守る。
「これで大丈夫、フィールドに戻れますね」
「はい?」
「戻れますね?」
「ちょ」
「戻れますよね?」
明日香は、いっそう笑みを深くした。
「しんじゃうよ!」
「そうですよ、あんまりです!
せめて何か魔法でもアイテムでもなんでもいいので、使っていただけませんか?」
「そうですか……しかたありません」
円の悲鳴とロザリンドの懇願に、明日香が2羽のフェニックスを召喚する。
「不死鳥フェニックスと言われるくらいの生物ですから、
フェニックスについばまれれば恩恵を受けて
死なずにすむかもしれません」
「なるほど、これで円さんを槍として何度でも再利用可能ですね!」
「うぎゃああああ、鬼しか! 鬼しかいないよ!」
リジェネレーションで回復するため、
円は気絶できずにエンドレスでついばまれる。
「立って、立って円ちゃん!」
歩はもはや殺禍というより、ボクシングの応援のようになっていた。
そこで、試合終了のホイッスルが鳴り響く。
「も、もえつきた……」
「円ちゃーん!?」
元の色とかまったくわからなくなってしまった円が力尽きる。
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