リアクション
エピローグ
「いやぁ。お騒がせしてすみませんでした」
騒動が一段落した後で。
皆に向けて、ニコラが深々と頭を下げる。
「過ぎたことはしょうがないよ。気にしない、気にしない」
レオーナが朗らかに笑いながら言った。
「それより私は、エリザベートちゃんから好きにされちゃうという、大事な仕事が残っているので」
などといいながら、そそくさと服を脱ぎだすレオーナ。
エリザベートにとっては、ドッペルゲンガー以上の脅威となっていた。
「いい加減にするですぅ!」
「遠慮しないでいいんだよ。もう、好きなようにしてくれちゃって構わないから」
「……私の望みはただひとつ。あなたが、煩悩を捨て去ることですぅ!」
☆ ☆ ☆
「しかし。あれだけの騒動を起こしながら、お咎めなしというわけにもいかないでしょう」
フェブルウスがジト目で告げた。彼の宣告に、慌てふためくニコラ。
「お咎め……。それはどういったものですか?」
不安そうに聞き返すニコラに、フェブルウスはさらりと言う。
「一日、海松のペットになる。というのはどうでしょうか」
「え、えー!」
突然の提案。
だが、フェブルウスの意見に反対するものはいないようだ。彼自身、自分のアイディアが気に入ったようである。
「ニコラくん。海松の言うこと、なんでも聞くんですよ。しっかり躾けられてくださいね」
そう言って、どこから取り出したのか、革の首輪を差し出した。
「そんなぁ!」
いきなりの展開にビックリする、ニコラの隣では。
「ペット……躾……首輪……」
海松が、アブノーマルにも取れる単語をつぶやいていた。
「なんでもいうことを聞く……ショタ……」
彼女の妄想は、ついに臨界点を突破したようだ。変な声を上げながら仰向けに倒れ込む。
幸せそうな顔で、鼻から血を噴出させていた。
海松の鼻血は、この時、世界樹の高さを超えたという。
お読みいただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか。楽しんでもらえたら嬉しいです!
今回もたくさんのアクション、ありがとうございます。とても刺激的でした。
また、初登場のニコラと絡んでくれた方がいたので、ホッとしました。もし彼に絡む方がいなければ、『死の歯車が回り切って死ぬ』という展開も考えていただけに、胸をなで下ろしております。
孤独死を免れたニコラは、これからも機会があれば、トラブルメーカー的な役割で出していきたいなぁと思っています。
本作は、コミカルとシリアス、両方に対応できるようなシナリオを心がけたのですが、そのせいでちょっとチグハグしちゃったかなぁというのが反省点でした。
みなさんのアイディアをもっと活かせるよう、まだまだ精進しますので、これからもよろしくお願いします。
それでは、またお会いしましょう!