リアクション
◇ ◇ ◇ 慈善活動の時からいたことに驚いていた芭柘美の隣の檻の中では、黒崎 麗(くろさき・れい)が怯えていた。 「(武器は取り上げられてしまったし、私……お母さんに守ってもらうしか……。いざという時に何もできないなんて……こんな私をお父さんは助けてくれるのかな……)」 俯いたまま目線だけ母のユリナ・エメリー(ゆりな・えめりー)へ向ける麗。 「(親子と言っても別の時代でのことだから実際に血がつながってるわけじゃないから……。私、どうすればいいんだろ……)」 ぎゅっと握っていた拳をきつくする麗。 それに気付いたユリナは優しく麗を抱きしめた。 「こんなトラブルに巻き込まれたの初めてだもんね。大丈夫だよ。竜斗さんは麗ちゃんを本当の娘だと思って助けに来てくれるから」 「……本当?」 「本当だよ。竜斗さんと合流するまでは私が麗ちゃんを守るからね」 「お母さん……」 ユリナの胸元の服を握りすり寄る麗に、ユリナは自らが使える念力系の術でどう脱出しようか考えるのだった。 ◇ ◇ ◇ 階段から一番近い檻ではフィリシア・レイスリー(ふぃりしあ・れいすりー)が同じ檻の中に居る村の女の子を慰めている。 「大丈夫ですわ。私たちの仲間が必ず助けに来ますから」 「本当?」 「ええ、本当ですわ。少なくとも私の婚約者なら、絶対来ますもの。だから、それまでの辛抱ですわよ」 フィリシア自身、不安が無いわけではないのだが、婚約者であるジェイコブ・バウアー(じぇいこぶ・ばうあー)が必ず助けに来ると信じている為、決して絶望はしなかった。 「(結は大丈夫かしら……この檻の中にはいないから、捕まった訳ではいけれど。でも、結が無事ならそれで……)」 フィリシアとは違い、仁科 美桜(にしな・みおう)は自分がさらわれているにも関わらず、堂島 結(どうじま・ゆい)の心配をしていると、ダオザの連中が階段を下りてきた。 舐めるように檻の中を見回しているダオザたちの前に、神月 摩耶(こうづき・まや)と董卓 仲穎(とうたく・ちゅうえい)、クリームヒルト・オッフェンバッハ(くりーむひると・おっふぇんばっは)が声をかける。 「ねぇねぇ、ボクらとイイコトして遊ぼうよぉ♪」 「私、退屈ですの……暫しの間でも、お楽しみ致しましょう?」 「ここにずっといるなんて嫌ぁ。痛くしないのなら、ナニをしても良いから、ここから出してぇ?」 可愛らしくおねだりする摩耶。 しっとりとしたお色気を強調して誘うリリンキッシュ。 甘く上目づかいでお願いするクリームヒルト。 三者三様の誘いに誘惑されたダオザたちは、その三人を檻から出す。 「ふふ……ここで直ぐ致しても良いけどぉ、小部屋での方がもっと気持ちイイと思うなぁ」 「複数の殿方相手も全く無問題でしてよ♪」 「痛くなければ何でもヤっちゃうよぉ♪」 三人の色気に当てられたダオザが群れをなして三人を上へ連れて行った。 |
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