空京

校長室

戦乱の絆 第二部 第一回

リアクション公開中!

戦乱の絆 第二部 第一回
戦乱の絆 第二部 第一回 戦乱の絆 第二部 第一回

リアクション


潜入作戦4

一方そのころ。

冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)と、
魔鎧のエンデ・フォルモント(えんで・ふぉるもんと)が、
トレジャーセンスでなんとなく察しをつけて、
ヤークトヴァラヌスの弾薬庫に辿り着いていた。
小夜子もまた、イコンに匹敵する実力の持ち主である。
警備の従龍騎士は、焔のフラワシで焼き払った。

「皆様も派手にやっているようですわね」
小夜子は、イコン格納庫から響いてくる爆発音を聞きながら言う。
「私も、こちらで大爆発を起こさせていただきましょう」
焔のフラワシで、小夜子は弾薬庫に火を放つ。
次の瞬間、壁を突き破って、弾薬庫は大破する。



同じころ、補給物資の倉庫では。

ジークフリート・ベルンハルト(じーくふりーと・べるんはると)と、
ノストラダムス・大預言書(のすとらだむす・だいよげんしょ)が、
やはり、破壊活動を行おうとしていた。
「敵は早急にヴァイシャリーを攻め落としたいと考えているだろう。
空母による敵の奇襲ならば補給路はまだ構築されていない。
そうすると、補給物資は空母に備蓄されているものだけのはずだな。
いかに空母とて補給物資がなければ飛び続けることはできんし、
食料がなければ兵士は戦い続けることができん。
ならば、破壊しよう、そうしよう!」
ちょうど、敵襲に呼応して補給物資の倉庫の警備は手薄になっていたため、
ジークフリート達は比較的容易に潜入することができた。
火術で火をつけると、サイコキネシスで燃える物資を動かして、
ジークフリートは火災を広げる。
「燃っえろ〜燃っえろ〜メギドの火でハッルマッゲドンの発生だ〜
燃っえろ〜燃っえろ〜ジークはえろえろー」
ノストラダムスも、禁じられた言葉で魔力を強化し、
火術でパートナーを手伝う。
「ふはははっ、これが魔王の所業よ!
何もかも燃えつくしてしまえー!
ふははははっ!」
「それにしてもジークはノリノリなのだ。
調子に乗り過ぎて自分に火をつけないか心配になってくるのだ……」
自分も楽しんでいたノストラダムスだが、
それ以上のジークフリートの様子を見て、つぶやく。



そのころ、艦橋にて。

姫宮 和希(ひめみや・かずき)は、
泉 椿(いずみ・つばき)
緋月・西園(ひづき・にしぞの)とともに、幹部を説得しようとやってきていた。
和希のパートナーのガイウス・バーンハート(がいうす・ばーんはーと)は、
帰りの足を守るために、飛空艇に待機している。

「東シャンバラ・ロイヤルガードの姫宮和希だ!
シャンバラから手を引いてくれ。
おまえ達にだって、故郷には家族がいるんだろ?
俺達にも、ヴァイシャリーにはダチや仲間がたくさんいるんだ」
「貴様らと話すことは何もない!」
指揮官は空中戦を繰り広げているため、艦内に残っていた副官の龍騎士はにべもなく言う。
「何言ってやがる!
勝手に宣戦布告してんじゃねえ!
ケガしたくなかったら引っ込んでろ!」
椿は吠え、
「エリュシオンと遊んでるほどヒマじゃないのよ。とっとと帰りなさい、坊やたち」
緋月は、有無を言わせぬ笑みを浮かべるが。
「痴れ者が!」
龍騎士の斬撃が、椿を襲おうとしたところを。
「……っ!」
「和希!?」
和希が身体を割り込ませて防ぐ。
「ケンカはな、生身でやりあうのが筋ってもんだろ。
おまえらも神だったら、こんなでっかい空母でいきなり攻めてくる必要は……」
そこまで言うと、和希は膝をつく。
「和希! 和希!」
椿が必死で叫ぶ。

「そこまでだよ!」
秋月 葵(あきづき・あおい)が、
エレンディラ・ノイマン(えれんでぃら・のいまん)とともに、
艦橋に突っ込んでくる。
「あたしは、東シャンバラ・ロイヤルガードにして、
突撃魔法少女リリカルあおい!」
葵は、警告を行い、ひるんだ従龍騎士をヒプノシスで眠らせる。
「行くよー! シューティングスター☆彡フルバースト!」
葵の破壊活動で、艦橋は破壊されていく。
「させん!」
副官の龍騎士が、葵に斬りかかる。
「葵!」
それを見たエレンディラは、龍騎士に向き直ると、天のいかづちを連射する。
「私は貴方の存在を否定します。完全消去(デリート)」
こうして、艦橋では派手な戦闘となり、結果として、指揮系統に影響を及ぼすこととなる。