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リアクション
【2】目的
―――パーンッ!
銃声と同時に射出された銃弾が業魔を襲う。しかし、蛇刀はそれにすら反応し弾き飛ばす。
先端という先端に反応する、本当に厄介な武器。
「まったく、相変わらず厄介極まれりだねこりゃ」
「ハイナ様に敵意を差し向けるとは、無礼千万ですわ!」
銃弾を放った麻篭 由紀也(あさかご・ゆきや)。傍らには瀬田 沙耶(せた・さや)もいる。
一つ、由紀也には聞き出しておきたいことがあった。
「業魔。何でハイナ校長を狙う?」
「ああん?」
怪訝な顔つきでそう返事をする業魔。何故、ハイナを狙うのか。由紀也にはそれが疑問だったのだ。
しかし、簡単には教えてくれないと考えた由紀也はあることを持ちかける。
「まあ、あっさり教えてくれるとは思っちゃいない。だから、俺が勝ったらその理由を―――」
「そんなのそいつが強いからに決まってるだろ」
「……ありゃ?」
業魔はあっさりと答える。彼にとって戦う理由とは『強い奴がそこにいるから』という極めてシンプルなものらしい。
「強いていやぁ、そのハイナって奴からは同じ気質みてぇなものを感じる」
「同じ……? ハイナ様が貴様らと同じソウルアベレイターとでも言いたいのですの?」
「そうじゃねぇ。……ああまどるっこしいのはなしだ! 戦えばいいんだよ!!」
業魔が頭を振るう。考えるのに疲れたらしい。
「まあいい。とりあえず、その厄介な武器、どうにかさせてもらうぜ!」
「同じくですわ」
沙耶は氷術を応用し氷の刃を、由紀也は鉛弾をもって業魔を撃つ。
先端に反応する剣はダメージも顧みず貪欲に先端を喰らい、弾き尽くしていく。
「俺たちも加勢しよう。エリス!」
「はいですー!」
由紀也たちの攻撃に乗じて神条 和麻(しんじょう・かずま)、エリス・スカーレット(えりす・すかーれっと)も武器破壊へと乗り出した。
作戦はいたって単純。何度も何度も相手の武器に自分の武器をぶち当てる。
ただ只管に、飽きもせず、斬撃を振り下ろす。
「おいおい、芸がねぇんじゃないか?」
「業魔、ついでに答えろ。お前が戴冠式を邪魔する理由、これもこの場に強い者が集まっているという理由だけか?」
「その通りだよ、らぁっ!」
「!?」
暴風を髣髴とさせる右フックに危険を感じて、和麻は後退する。
仮に直撃を受けていたらと思うとぞっとしない。
何故なら、風圧により和麻の衣服の端が千切れ飛んだからだ。
「……変わらずの化け物ぶりだな」
その変わらぬ強さにあきれ返る和麻だった。
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