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「ジーク・のい☆しゅて!」
海軍が艦の整備に取りかかろうする一方、部隊を整列させ編成を行う一兵団。今回の出兵で、現時点で最も兵が多いのが、彼ら最も教導団らしく軍律を重んじる新星ことノイエ・シュテルンである。
敬礼する隊員らを前に、少々緊張の面持ちでいるのは、水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)。彼女もまた、少尉の腕章。外交官としての大任を無事に果たし、尉官へ昇進した。彼女の後ろには、クレーメック・ジーベック(くれーめっく・じーべっく)部隊長が控えている。
「水原ゆかり。しばし君に我がノイエ・シュテルンの指揮を任せることになる」
「私に、ノイエ・シュテルンの指揮を? ジーベック」
そんなやり取りが、昨夜到着した折の二人の間になされていた。
「我々は無事、雲海を抜けこうしてクィクモに到着することができた。勿論、タシガン交渉を成功させた君の功績も大きい」
「ジーベック。ええ。しかし」
「妙な胸騒ぎがする。空路第二陣が、我々に続いてここへ向かってくる。私は状況が整い次第、ロンデハイネ中佐を迎えに、小型飛空艇と兵百を率い雲海に赴く」
「ジーベック。……了解しました」
「陸路を来ている我らの同僚たちも間もなく到着することだろう。彼らと力を合わせてくれたまえ。こちらにいるアクィラも良い士官に育ってきた。それに、君の傍にはジェイコブもいるしな」
「ジーベック……(彼とは何もないですよ!)
だけど、そんなふうに言うなんて、何だか、……胸騒ぎとは一体」
「ミカヅキジマの香取とも連絡を絶やさぬよう。香取の身に何かありそうならすぐ駆けつけてあげてくれ。君にとっても大事な人だろう。健闘を祈る」
「……(何もないですよ? 香取さんとも……)」
それにしても、クレーメックの胸騒ぎとは。
翌日までに陸路の軍もクィクモに全隊が到着。空路の第二陣は、必要な物資等の報告を受け準備に時間がかかるそうだが、陸路第二陣はすでに出発しており、交渉によって得られた伝手により到着も早そうである。陸路は主に兵員を率いてくる。
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