First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
Next Last
リアクション
其の七
1F組みが脱出に成功したのと時を同じくして。
上を目指していたアルバイターたちも、続々と屋上到達を果たしていた。
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)とルカ・アコーディング(るか・あこーでぃんぐ)の2人も、最上階まであと少し。
2人は朧の衣にガマガエル、二刀を引っさげた本格ニンジャだ。
アコが薄々感じていた疑問を口にした。
「これ、ホントにイベントなのかなぁ……」
「ニンジャ造反シチュなんて本格的だよね♪」
機晶ロボの暴走を、造反イベントと壮絶に勘違いしている2人。
『造反しなかったニンジャ』として裏切り者を静粛しながらここまでやって来たのだ。このニンジャ遊びをノリノリで楽しんでいる。
「あっ、また出た!」
カンフーで襲い掛かってくるロボにビシリと指を突きつける。
「鉄の掟よ」
と、演技めかしたルカが言えば、
「裏切り者には死を」
とアコも乗ってくる。
「機械には――」
「電気っ!」
ルカは雷術を纏わせた妖刀白檀で雷撃、アコは轟雷閃をロボに叩き込んだ。
「次ぃ♪」
ワラワラと沸いて出たロボたちを、疾風迅雷とゴッドスピードで翻弄し一箇所に誘導する。
それを稲妻の札で一気に殲滅する。
「いっちょう」
「あがりぃ」
黒コゲのロボたちを見て、2人は満面の笑みだ。
『絶景かな、絶景かなぁ』
終始この調子でロボを大量破壊してきた彼女たち。いよいよ最上階だ。
「やっとロボがいなくなったねぇ」
アコはホっと一安心。
「これでイベントクリアだねっ」
ルカは満足げ。カプセルからガマガエルを出し、その背に乗って屋上にひょいと飛び出る。アコも同じくその後を追った。せっかくなので、そのまま記念撮影。
「いい思い出になったね」
「うん!」
「はーい、みなさん押さない並んでくださいねー!」
屋上に設置された脱出用巨大スベリ台の前で、みんなに声を掛けているのはバイトリーダーの熾月 瑛菜(しづき・えいな)だ。
「あのう、これってホントにイベントだったんですか?」
「えっ!? 今更!?」
瑛菜の驚きっぷりを見る限り、これは――ガチだったようだ。
「ま、楽しかったからいいんじゃない?」
「だね♪」
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
Next Last