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魔剣スレイブオブフォーリンラブ

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魔剣スレイブオブフォーリンラブ

リアクション

 ここはミスド前、先ほどの女同士のバトルロワイヤルの影響ですっかりと荒れてしまい、辺りは閑散としていた。
 そこへ、魔剣所有者であるフェンリル・ランドール、柊恭也、ロレンツォ・バルトーリ、メンテナンス・オーバーホールの四人が集まっていた。

「みんな、よく来てくれた! 電話でも言った通り、この魔剣スレイブオブフォーリンラブの影響で魔剣所有者である我々を見た者は、女性は好意を抱き、男性は攻撃を仕掛けてくるようになってしまう。
そのメカニズムは不明だが、危険である事は間違いない。だが、魔剣はとても頑丈に作られており、」
「魔剣同士をぶつけ合うしかない破壊する方法はない、だろ?」

 フェンリルの発言に、同じく魔剣所有者である恭也が口を挟む。

「ああ、その通りだ。だからわざわざ君たちに今集まってきてもらっている。さあ、魔剣を破壊し、この狂乱を終わらせよう!」
「私も異論はありません」

 ロレンツォも同意する。

「フフフ……我らがキャトル=ノブレス・オブリージュが揃えば、不可能な事象などない……」

 オーバーホールも、マスク越しに笑い声を漏らしながら同意する。

 そして、四人が二組に分かれ、お互いに魔剣を構えた。

「いくぞ……!」

 フェンリルの掛け声を合図に、皆は魔剣を振りかぶり、そして――

 ガギッ!!!

 魔剣スレイブオブフォーリンラブは衝撃で火花を散らす。しかし……

「お、折れてないだと?!」
「やはり魔剣を持っている者同士、お互いに影響を受けて全力が出せないのでしょうか?」
「……フフフ。例の組織が介入したのか。ラグナロクはまだ終わっていない……」
「とりあえず、もう一回やってみないか?」

 困惑しながらも、魔剣所有者たちは再び剣をぶつけ合おうとする。だが、魔剣をぶつけ合った影響で新たに魔剣の力に魅入られた者が出現した事には気付かなかった。

「何か物音がすると思ったらフェンリルじゃない♪ ってあれ……なんだかルカ、急に変な気分になってきたよ?」

 いつも陽気なルカルカ・ルー(るかるか・るー)は、パートナーのダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)ニケ・グラウコーピス(にけ・ぐらうこーぴす)と共に、空京に買い物に来ていました。
 そこで、たまたまフェンリルたちと遭遇してしまったのだ。

「曲者か……? それよりも、なんだ俺の胸に溢れ出す感情は?!」

 さらにそこへ、休日にたまたま空京を訪れていた女剣士・龍滅鬼 廉(りゅうめき・れん)も気配を察知してフェンリルたちに近づいていきます。

「マズイ! また魔剣に引き寄せられて人が集まりだしたぞ!」

 ようやくフェンリルも自分たちの置かれた状況に気付いた。

「……仕方ありませんね。ここは一旦二手に分かれて、また別の場所に集まりますか。それまでに魔剣を壊す方法を各々で考えておきましょう」

 ロレンツォがそう言うと、ほかの三人も同意し、フェンリルはロレンツォと、恭也はオーバーホールと組み、それぞれミスド前から退却した。
 残された人々も彼らを追い、また追跡ゲームが始まった。

「フェンリル待ってよー♪ さっきからドキドキが止まらないの」

「俺とロレンツォ様の邪魔をする者は、例えそれが誰であろうと斬る……!」