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リアクション
キロスは楽しげに構えている乗り手の二人を見ている。
一輝とローザがクーン・ヴァンガードであることは知らず、スル―している。
(やっぱりか。QVの中には未だにエリュシオンを怨んでいる奴もいるからなぁ。そいつらにガンつけられたら、そりゃシメたくもなるよなぁ。全く、付き合いきれないな)
それをわざとスル―していると勘違いした一輝。
(高根沢さんには感謝だな。理由はどうであれ、あそこまで言われたら決着を付けなければならないからな。これですべてのわだかまりを水に流す。それでもグダグダ言う奴はQVじゃない)
「ローザ、行くぞ」
「いつでも良いですわ。今回は、何としてもキロスに勝って在校生の威厳を保ちたいですわね!」
ローザは先手必勝とばかりにキロス組へ接近していく。
接近に伴い、一輝はシャープシューターで着実に狙い撃っていった。
「く……反撃するわよ!」
「当たり前だろ! さっきみたく背後に回り込め!!」
ぎりぎりの所を避けつつ、一輝たちの後ろに回り込む香菜。
「さぁ。今度はこっちからいくぞ」
狙いを定めるキロス。
ローザは競技場下にある池の水面ぎりぎりまで降下していく。
「逃がさないわ!」
ローザを追って香菜も降りていく。
「!? 待て、これ以上追うな!!」
ハッとしてキロスが香菜に言うが、間に合わない。
ローザは浮いている浮草を引っ掛けて水しぶきを上げたのだった……。
「え!? い、池!?」
「ひっかかりましたわ!」
「さすがに新入生じゃ、池がある事は知らなかったみたいだな」
「香菜、体勢を立て直すぞ」
「そうね。急上昇するからしっかり?まってなさい」
キロス組が上空へ飛び立っていく。
「一輝、交替!」
「だな」
それを見て地上に着陸したローザは対電フィールドを小型飛空艇に纏わせ、操縦を一輝と交替した。
「さっきまでの接近戦だけが俺たちの戦い方じゃないことを教えてやる」
すぐさま交替した一輝は、飛び交う人たちの間の視覚を使って接近していく。
気を張って一輝たちを探すキロスだが、死角を通って接近する一輝に気付かない。
「覚悟なさい!」
ローザは一輝の操縦でキロス組から見えない位置で狙撃を開始する。
「……させないぜ?」
どこからともなく風が吹き、ローザが放った水弾はあさっての方向へ飛んで行った。
「え?」
「今の、多分風術かなにかだよな?」
「うん。風が吹いてたから確かですわ」
どこから、誰から自分たちの攻撃を防がれたのか辺りを見回す一輝とローザ。
それを離れた場所から見ている、風術を使った張本人風祭 隼人(かざまつり・はやと)と騎手のソルラン・エースロード(そるらん・えーすろーど)、風祭 天斗(かざまつり・てんと)がいる。
「勝利は我が手に、ですね」
「そうそう。まだ香菜ちゃんをナンパしてないのに、やられちゃったりしたら敵わないしよ」
「違うだろ。勝つのはあくまでも俺たちだ。他のやつらに取られてたまるかって」
隼人は辺りに飛び交う大量の水弾を捕らえ、一斉に一輝組の的へ飛ばしていった。
その多くの水弾に一輝は避けきれない。
ーーーピピーッ!!
「そこの改造小型飛空艇を使う組! 失格ですわよ!」
「的が破れたんだから仕方ねぇ……でも」
「私たちを撃ち破った方はどなたなんですの?」
「それは、あそこにいる三人組の方たちですわ」
飛び交う水をまとめて一組の的に集中攻撃したり、隼人の撃つ水弾を追い風で攻撃の飛距離を伸ばしたりしているのを教えるバーソロミュー。
「あいつらにやられたのか……」
「あれでは撃ち抜かれても仕方ないのかもしれませんわね」
「そう、だな(競技後にキロスとしっかり話をつけないと)」
一輝とローザは失格者エリアに移動していった。
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