波羅蜜多実業高等学校

リアクション

ついに対決！　勝つのはどっちだ！？

「なんだ、もう終わりかよ。あっけねぇ」

　つまらなそうにキロスは構えていた水鉄砲を降ろす。

「ちょっとまだ終わってないんだから気を抜かないでよ」
「ずっと気張るのは疲れんだよ。敵が見えてから構えても十分間に合うだろ」

　余裕綽々なキロス。それとは反対にあきれて額に手を当てる香菜。

「キロス！　リコっち組が来るよ！！」
「あん？　なんだと」
「ここから左側です。シーニュとオイレの二組がこちらへ迫ってきます」

　ルカルカと柚に言われ、キロスが見るとそこには理子たちを乗せた空飛ぶ箒シーニュと、小型飛空艇オイレに乗った火村　加夜（ひむら・かや）とノア・サフィルス（のあ・さふぃるす）がいた。

「それだけじゃないよ。ジェットドラゴンに乗った組も僕たちを、というかキロスさんたちを狙ってるみたい」

　三月は理子と対角線上にいる美羽を見つける。

「三対三か、腕がなるぜ」

　淵が気合を入れていると、ノアと加夜が唯と三月の組に攻撃を仕掛けた。

「よろしくお願いしますね！」
「涼司お兄ちゃんの為だもん。頑張るよ〜！」
「この方たちは私たちが引き受けます！　三月ちゃん、それで良いですか？」
「もちろん。キロスさん、僕たちがいなくても大丈夫だもんね？」
「誰にものを言ってるんだ？　大丈夫に決まってんだろ。行ってこい」

　キロスに許可？を得た柚と三月はノアと加夜の後を追って上空へ舞い上がった。

「ここなら誰の邪魔もされずに戦えますね」
「そうですね。ですが、勝つのは私たちです！」

　三月は奈落の鉄鎖でバランスを崩しにかかる。

「うわっと！」
「ノア、大丈夫ですか！？」

　加夜のサイコキネシスの力を借りて状態を立て直すノア。

「ありがと！　今度はこっちからだ〜！！」

　背後に回ろうとするノア。
　柚も背後を取ろうと回り出す。

　ノアは移動しつつ更に上空へ飛んでいく。

「涼司くんが居ない間に好き勝っては困ります。勝たせてください！」

　追うようにして飛んでいる柚の機体めがけて、加夜はサイコキネシスで水が四散しないようにして撃っていく。
　三月も負けじと水を撃つが、その水は四散してしまい思うように届かない。

「水が届かなければ怖いものなどありません！」
「そうか？　だったら、これならどうかな？」

　奈落の鉄鎖で前方にいたノアのオイレを落とす三月。

「……チャンスだよぉ。やっちゃって、加夜！」

　三月落とされたことにより、後方に回ることに成功したノアは加夜に決めるように言う。
　サイコキネシスで方向を無作為に変えて飛ばした加夜の水弾は、柚の回避よりも早く的を射ぬいた。

「ごぉががぃぐげ！」
「勝負ありんした。柚・三月組は失格者エリアへ行ってくんなまし」

　テラーとアリアンナにそう言われ、柚と三月は失格者エリアへ入って行った。

「よし、勝ったよ〜！」
「早く下降へ行って援護しませんと」

　理子たちの所へ急ぐ加夜のノア。