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【新歓】水鉄砲騎馬戦

リアクション公開中!

【新歓】水鉄砲騎馬戦

リアクション


変幻自在 操縦技術で幅は広がる!

 積極的に敵に攻め込むウルスラーディ・シマック(うるすらーでぃ・しまっく)
 高崎 朋美(たかさき・ともみ)は自分の的を破られないよう、読まれ易い一直線なルートは取らずに、また速度も緩急をつけて狙いを定められにくいよう計算して飛ばしている。

「『虎穴に入らずんば虎児を得ず』……単なる騎馬戦だから、そう怖くはないからね。間違えて当たったって、ただの水なんだから。ボクが単に技術ばっかりやってる技術屋のおねぇさんじゃないってこと、見せてあげるよ!」
「これはこれで面白くないとは言わんが……な」

 ウルスラーディがサイコキネシスでキロスチームの一組の機体バランスを崩した。
 朋美はそれを受けてその動きを封じた敵の所へ素早く移動していく。

「ここから、いけそう?」
「あぁ。それ以上近づくのは危険だ」

 ウルスラーディは敵のふやけている紙を、サイコキネシスでピンとして破れやすいようにしたところを狙い撃った。

「ナイス!」
「これくらいどうってことないさ」

 一機撃ち破ったことで少々気が抜けた朋美とウルスラーディへ、地上からハデス組の襲撃がやってくる。

「さぁ! どんどん撃ちまくるのだ」
「地上かよ! 朋美!!」
「分かってるよ! フォローお願い!!」

 アルテミスが放つ巨大水弾をサイコキネシスで軌道を曲げつつ離れていく朋美組。

「む……仕留めきれんかったか」
「すみません。次こそは仕留めてみせます!」

 トーチカは移動を始める。



◇          ◇          ◇




 廿日 千結(はつか・ちゆ)の空飛ぶ箒スパウロに乗った無限 大吾(むげん・だいご)

「千結、全力で飛べ! 動き回って的を狙われないようにしつつ、相手を撹乱して優位な位置を確保するんだ。息はこっちで合わせるぞ。イコン操縦で耐G訓練は積んでるから、俺に構わず全開で飛ばせ!」
「わかったよ〜。空飛ぶ箒愛好会『スター・オブ・ブルーム』で鍛えた腕前、空飛ぶ箒マスターの称号は伊達じゃないんだよ〜。箒乗り魂が燃えるんだよ〜!」

 戦闘機のマニューバの動きを用いて、飛び交う水弾の中を攪乱させつつ回避していく千結。

「あたいのスピードについて来れるかな〜?」

 千結は相手の攻撃を横転と機首上げを同時に行い、螺旋を描きながら飛行するバレルロールで回避する。

 それにより、敵を振り切った大吾と千結は、キロスがいる場所へ飛んで行った。



◇          ◇          ◇




「ぐがぅぎぃがが!」

 格闘戦にもつれ込んでいるキロスチームとリコっちチームの数組。
 テラーは楽しそうに声援を送っている。

「テラー! ちゃんと止めに入らないとダメじゃないですか。グランギニョルもちゃんと止めて下さいよ」
「ぐぅぅぅぎぁげぃ!」
「エージェント・Tが楽しいなら、わちきはそれでいいかと」

 パーシヴァルが止めるように言うも、テラーもグランギニョルも止める様子はない。

「どうしましたの?」

 テラーたちが固まっているのに気が付いたバーソロミューもやってくる。

「あ、バーソロミュー。テラーたちがこの騒動を止めないのですよ」
「だって、エージェント・Tは楽しそうなのでありんす」
「がぁごぉ!」
「テラー、わがまま言わないので。いくらなんでも砲撃主である貴公らが水鉄砲を使わず、殴り合いをしているのを止めるのも私たちの役目ですよ?」
「がぁげぅごぎぃ〜」
「テラーが良いと言えば良いのですわ! 我はそれに同意しますわ」
「ダメです! 審判は公平かつ平等に!」


ーーーピピーッ!!


「騎士である私が不正を放置する訳にはいきません! よってあなたたちは失格とします!!」

 テラーに激甘なメンバーにパーシヴァルはキツく言って、争っていた数組を失格者エリアへ連れて行った。