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リアクション
Let‘s Survive!!
『さぁ始まりました! キロスチーム対リコっちチームの水鉄砲騎馬戦! キロスチームが勝利をおさめるとコンモドゥスが校長になってしまいます。リコっちチームはそれを阻止することが出来るのでしょうか!?』
優斗は放送席で繰り広げられるであろう展開を放送しようと、マイクを前に置いて実況している。
「……ちっ放送の野郎はリコっちの味方かよ」
「それはそうでしょ。新入生がいきなり校長を、ひいては学園を手中に収めようとしているんだから」
「香菜はどっちの味方だよ!」
「勝手に私を巻き込んだんでしょ!?」
少々説教臭くなる夏來 香菜(なつき・かな)。
キロスはそれを聞き流している。
「あー良いじゃねぇか。勝てばいいんだよ勝てば。あとあとの規律とかは香菜がまとめりゃよ」
話はこれで終わりだと言わんばかりに話を切るキロス。
香菜はしょうがないと言った風にレッサーワイバーンを飛ばしていった。
サンダーブレードドラゴンに乗っている瀬山 裕輝(せやま・ひろき)。
東方妖怪伝奇録 『霊奇譚』(とうほうようかいでんきろく・れいきたん)が自由気ままにサンダーブレードドラゴンを操縦する。
それはそれはもう見ているこっちかイライラするような操縦で。
それには祐輝のメンタルアサルトも入っているから、直の事である。
「む〜変身できないなんてつまんないよー」
「しゃーないやろ。諦めて操縦に専念するんやなぁ。くくっ」
「……ワタシが砲撃主なら、すぐさま君の顔面に至近距離で水鉄砲を向けてやれるのに」
悔し紛れに霊奇譚はサンダーブレードドラゴンを一回転させる。
急な事で落とされる祐輝。しかし、落ちた先は飛空艇の上。
「うわっと!? 危うく落ちるとこやったじゃないか!」
「ふん! 実際に落ちたじゃないっ」
「ちゃうわ! オレが言ったんは地上に、や!!」
「ちょっと! あんたたち、乗り物に制限が無いからってサンダーブレードドラゴンは卑怯じゃない!?」
祐輝が落ちた場所で霊奇譚が言い合っていると、その持ち主であったキロスチームの一人である綺麗な女性がそう言ってくる。
「え? ドラゴン? 知らぬ存ぜぬ何も聞こえへんで〜」
「はぁ!?」
祐輝は落とさずに済んだ水鉄砲ですぐ傍にあった的を射ぬいた。
「あー! 卑怯者!!」
「なんとでも言いやー」
祐輝は女性の顔めがけて水鉄砲を発射させる。
「きゃっ何するのよ!」
顔面に水を受けた女性のメイクが取れ、顎髭やら吹き出物だらけの男性の顔が現れる。
「……おっさんかい!」
現れた顔に驚く祐輝。それだけ突っ込むと反動を付けて霊奇譚の操るサンダーブレードドラゴンへ飛び移った。
的を射ぬかれ、メイクも剥がされた女装男性が反撃しようとするも、ロレンツォとアリアンナの審判に止められる。
ーーーピピーッ!!
「はいー、あなたは失格、そこまでー!」
「速やかに地上へ降りて下さい」
女性に失格のカードを渡すロレンツォ。
「なんでよ! あたしはあいつらに一発喰らわせなきゃ気が済まないの。邪魔しないで!」
「リーダーがルールに従う、と誓ったでしょう? 自分の発言には責任を持つのが、漢です! 退場!」
「あたしは漢じゃ……」
「退場、です!」
「……わかったわよ」
女装男性は腑に落ちないながらも素直に地上へ降りていく。
そんなやりとりの最中に祐輝組はいなくなっていた。
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