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リアクション
ロートラウト・エッカート(ろーとらうと・えっかーと)のコンテナ内蔵型飛行ユニットの上に陣取っているエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)。
周囲に比べてスピードが劣っている。
「今年の新入生は熾天使やら龍騎士やら、とんでもないのをパートナーにしてるのがいるな……」
飛び交う参加者たちを見てエヴァルトが呟いていると、やはりスピードが遅い為に目を付けられる。
「こんなスピードじゃ狙って下さいと言ってるもんだろ?」
「覚悟して下さい!」
狙い定めるキロスチームの新入生。
「だがまぁ、そうそう簡単にシメられると思わないでもらいたいところだ」
「……ボクは別になんだっていいんだけど……楽しいなら」
エヴァルトは機体の上でジャンプし、狙っていた新入生の機体の所までレッサーワイバーンや小型樹空艇を跳び移っていった。
その時生じる反動によって崩れる機体。唯一ロートラウトのコンテナ内蔵型飛行ユニットはすぐに立て直していた。
狙っていた新入生の所へ辿り着くエヴァルト。
「まだまだ甘いな。やはり」
「う、うわぁぁぁぁ!!」
乱雑に水鉄砲を撃たれるが、エヴァルトは雷霆の拳でそれを避け逆にそれを奪った。
「あ!」
「しっかり握ってないとこうなるぞ?」
奪ったそれで的を破ると、先ほどと同じようにしてロートラウトの飛行ユニットまで跳んでいく。
「お疲れ!」
「別に疲れちゃいねぇよ」
「あ、そう? それよりあそこのドラゴンに乗ってる人、エヴァルトとおんなじことしてるよ!」
ロートラウトの言う場所では、サンダーブレードドラゴンから飛び降りて機体を乗っ取っている祐輝がいた。
「おもしれぇ、ロートラウト行くぞ」
「うん!」
祐輝たちの所へ向かっていく二人。
しかし、祐輝はエヴァルト組が向かっているのなんて気にせず乗っ取った機体で水鉄砲を撃っていた。
ただし、祐輝が撃つ水弾はノーコンでことごとく狙いの的には当っていなかったが。
「んーなんやイマイチ当たり悪いなぁ」
撃ちながらぶつくさ言う祐輝。その一発が祐輝の傍で審判をしていた背中の翼で飛んでいるエレノアに命中する。
「きゃっホントにノーコンね!」
「……距離がありすぎるわ。至近距離からぶっ飛ばしたる!」
完全にスル―し、祐輝は霊奇譚の許へ戻ると狙っている敵にぶつかるように言った。
「また、この子に落とされないでよ。きゃはは!」
「あん時は不意打ちだったからや! そうそうあないに落とされへんで」
勢いよくキロスチームの一組に接近する祐輝。
「ちょっと待った―!」
勢いよく振って来たエヴァルト。
「ちょお! びっくりするやないか!!」
「すまねぇ。俺と似たような戦い方をするてめぇに興味があってよ」
「ほぉ…でも、タイミングが悪いわぁ」
ちらりと霊奇譚に視線を配り、そのまま元々狙っていた敵に接近していく。
「うぉ!?」
危険を察知し、上空へ飛びあがるエヴァルト。
ぶつかるかぶつからないかの所で祐輝は的を射ぬいた。
「へへ〜ん。いっちょあがりや!」
得意げにしている祐輝の真上にはロートラウトに掴まったエヴァルトがいる。
「お前、危ないだろうが!?」
「突っ込むなら突っ込むってちゃんと言ってよね! エヴァルトじゃなかったらどうするの!!」
ーーーピピーッ!!
「サンダーブレードドラゴンに乗った組! 今の行為は危険だわ。よってファールとして的の耐久性を最弱にします!」
エヴァルトとロートラウトが祐輝に抗議していると、エレノアがやって来て的を濡らそうとする。
だが、エレノアが接近する前に霊奇譚がエレノアの横を過ぎ去っていった。
「捕まらなかったら的の耐久力は変わらへんで!」
にやりと笑い、そのまま逃げていく。
「あっこらー待て!!」
「捕まえられるなら捕まえてみぃ」
「ムリムリ。ワタシたちを捕まえる前に他の的を濡らすのがオチだって!」
「絶対に捕まえてやるんだからー!!」
競技そっちのけでエレノアと祐輝組の追いかけっこが始まる。
「……俺ら完璧に無視されてるな」
「言わないで、よけい悲しいから」
茫然とおいてきぼりをくらったエヴァルトとロートラウトがその場に取り残された。
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