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【新歓】水鉄砲騎馬戦

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【新歓】水鉄砲騎馬戦

リアクション

 様々な乗り物が行き交う中、競技場の後方付近で様子見をしている六本木 優希(ろっぽんぎ・ゆうき)麗華・リンクス(れいか・りんくす)の組。

「キロスさんの組、見えないですね〜」
「あちこちでこちらのチームの的を打破しているのは放送で聴こえては来るが、肉眼見ではやはり見えないな」
「競技場を満面なく動き回っている割には、私たちとは出会いませんし……」

 のほほんと会話をしていた二人へ、指揮官の大砲がついた移動トーチカに乗っているドクター・ハデス(どくたー・はです)アルテミス・カリスト(あるてみす・かりすと)の組が、地上から大砲で巨大な水弾を飛ばしてきた。

「お譲!!」

 麗華は優希の襟首を掴むと、重心を傾けて回避させる。

「フハハハ! 我が名は世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスの大幹部、天才科学者ドクター・ハデス! キロス、貴様を援護してやろう! そして、共に蒼空学園を征服しようではないか!」
「あの人に協力するなんて……けど……今は目の前のターゲットに集中! オリュンポスの騎士アルテミス、参ります!」
「これはもしかして、複雑な乙女心というやつかな?」

 アルテミスは連続的に大砲から水弾を飛ばしていく。
 以前から教室などでのキロスの振る舞いを見て、苛立ちを感じていたことなんとなく思い出したハデスは、恋心と判断したようだった。

「わわわっ退避、退避!!」

 優希はアルテミスが撃つ水弾を避けつつ、人が行き交う間へ小型飛空挺オイレを走らせる。
 飛んで来る水弾は現在進行形で撃ちあっていた交戦場へ命中する。

『ハデス・カリスト組、敵も味方も関係なしに地上から水弾を飛ばしています!』

 あちこちから巻き添えを喰らった組から抗議の声が聴こえてくる。

「これが、私なりの戦い方ですっ!」
「アルテミス、どんどん水を撃っていくのだ! こちらは量が多いのだからな」
「はい!」

 巨大水弾に的を撃ち抜かれる組が多数出ている中、大人っぽい鮮やかなレッドのハイレグビキニを着た綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)と黒のハイレグワンピース姿のアデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)組がハデスたちの攻撃を避けつつ、キロスチームの的をヒット・アンド・アウェイで攻めていった。

「地上の攻撃に意識が行ってくれてるお陰で攻めやすいわね!」
「そうですわね。でも、避けつつの攻撃は少々手がかかりますわ」

 アデリーヌはハデス組のトーチカの方へ飛空艇を飛ばす。

「地上は空中に比べて回避はしにくいハズ。一気に行きますわよ!」

 慎重にハデス組の的を狙い定めるさゆみ。
 放った水弾はしかし、アルテミスのグレイシャルハザードで凍らされて当たらなかった。

「え!?」
「地上だから回避は出来ないとは思わないでください!」
「ハァーハッハッハ! 狙い撃ちにしてやれ、アルテミス!!」

 アルテミスが発射した水弾を真正面から受けてしまったさゆみ組。

「冷たい!」
「水着を着ていて良かったですわね……」

 びしょぬれになった二人。


ーーーピピーッ!!


「そこの水着姿の組! 的が破れたよ。ざんねんだけど、失格者エリアに入ってちょうだい」

 光る箒であちこちを審議する為に飛び交っていた為、ずぶぬれになっている佳奈子がバーストダッシュの瞬間加速で一気にこちらへやって来てさゆみとアデリーヌをアウトにした。