波羅蜜多実業高等学校

リアクション

　加夜と柚が戦っている時、カタクリズムで翻弄していくルカルカ組と、人数にモノを言わせ、三方をそれぞれが請け負って構えている理子組が撃ち合っていた。

「あのカタクリズムの使い手、やっかいね」
「キロスとの連携も上手くて、なかなか付け入る隙が無いわ」
「俺たちが出来るのは回避行動が優先されてしまっているしな」
「なにかきっかけがあればわたくしも動きやすいのですけれども……」

　打開策を考えている理子たちにきっかけがやってくる。
　キロス組を発見した優希組が、麗華のリンスアイの矢と殺気が香菜に向かって飛んで来たことによって。

「！？　あぶねぇ、香菜！！」

　香菜の頭を押さえるようにしてレッサーワイバーンに押さえつけるキロス。
　視線が香菜に向かっているキロスに、優希が体当たり気味に突っ込んで来る。

「全弾喰らえ！」

　すれ違いざまにタンクに入っている水を全て使う勢いで的を狙う麗華。

「させないよ！」

　ルカルカはカタクリズムで発射された水弾を無理やり曲げた。
　その曲げた方向には、キロス組対理子組の戦いを見ていた隼人組がいたのだった……。

「ここでリタイアなんて出来るか―！」

　飛んで来た無数の水弾を風術で吹き飛ばす隼人。
　ルカルカに弾かれ、隼人に吹き飛ばされた水弾は裕輝組の的を突き破り、今まさに理子の加勢に行こうとしていた加夜組の的にも当たってしまう。


ーーーピピーッ！！


「はいー、あなた失格、そこまでー！」

　小型飛空艇でプレイヤーと一緒に走る感じで審判をしていたアリアンナとロレンツォはホイッスルを鳴らして加夜とノアを止める。

「失格者は、チームメイトの加勢・援護は禁止となっています」
「そ、そんなぁ……」
「ルールですから仕方ありませんね」

　失格者エリアに向かう二人。
　アリアンナとロレンツォは現在進行形で撃ち合っているキロスと理子の組の審判をしに下降していった。

「さぁ、競技も終盤戦ね。気合入れて審判するわよ！」

　小さな破れも見落としてなるものかと目を皿にしてアリアンナはそれぞれの組の的を見ていく。

「……ん？　あれは……」

　気になる組を見つけ、接近するアリアンナ。


ーーーピピーッ！！


　アリアンナの鳴らしたホイッスルに思わず動きを止めてしまう。

「そこの後方についている的、破れてるわ！　よってあなたたちは失格！！」

　アリアンナが示す優希のオイレの的は確かに破れていた。

「スピードに耐えきれなかったのか」
「撃たれるのではなく、風にやられてしまいましたね」
「それまでに喰らいすぎていたのだ。潔く負けを認めよう」

　優希と麗華は失格者エリアに入っていく。

「競技を止めてすみませんでした。どうぞ続行してください」

　離れていくアリアンナとロレンツォ。

「なんか、いろいろ乱入があったけど…」
「競技、再開しようじゃねぇか！」