薔薇の学舎へ

波羅蜜多実業高等学校

校長室

葦原明倫館へ

夜の学園はでんじゃらす!

リアクション公開中!

夜の学園はでんじゃらす!

リアクション



幕間:反省会 〜次回の活躍に乞うご期待?〜

 気付いた時には大名行列の完成であった。
 前には逃げ続けるうさぎの着ぐるみ。後ろには追いかけてくるサズウェルと玖純、さらに後方からはアルクラント達の姿もあった。それだけではない彼らの後方からも足音と声が聞こえてくる。
(女装にマントの怪人……何のアトラクションだ)
 そう夜刀神は思うが自身の姿を顧みて考えを改める。
「今の私も大して変わらないか」
 銀色の甲冑に身を包み宙を飛んでいる。
 ブリジットは迷彩塗装を活用しているため、傍から見れば甲冑が宙を漂っているようにも見えるだろう。
「ブリジット、このままではわしらも不審者扱いにされかねない」
「どうしますか?」
「クウが先に抜け出している。彼女と合流しよう」
「了解」
 ブリジットはウサギの進路とは別の方に向かうと追随するアルクラント達を振り切った。後方から聞こえていた声はしばらくしてぷっつりと聞こえなくなっていた。

「お帰りなさい」
 言って宿直室へと入っていくのはクウだ。
 彼女の後ろには夜刀神たちの姿もある。
「おかえりなさい。大丈夫だった?」
 声をかけてきたのは朋美だ。
 彼女は思うところがあったのかクウの様子を気にしているようであった。
「次はガンバル」
「うん? よくわからないけど頑張ってね」
「まかせろ」
 クウは言うと久瀬に視線を送る。
「クウさんたちもいかが?」
 クエスティーナがスープを手にしながら言った。
 準備が良いというべきか、サイアスが人数分追加でテーブルの上に用意していく。
「ホリイだったか。お前も飲むといい」
 サイアスに促されてホリイがスープを口にした。
「おいしい……」
「お気に召してくれて何よりだ」
 和んでいるなか、夜刀神がクウと小声で話し始める。
「わしらに足りないのは数だと思う」
「それはアタシも同感」
「次があるときは仲間を集めるべきだろう」
「ソノトキハ……ワタシモナカマニハイリタイデスネエ」
「よろしくたの……む?」
 気付けばアドハムが会話に紛れていた。
 だがそんなことは些細な問題だと三人は話し合いを続けた。
 宿直の夜はまだ終わりそうにない。