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幕間:幽霊の正体見たり 〜幽霊ウサギと理系女子〜

「見つからないわね」
「そう簡単に見つかってもつまらないわよ」
 セレンフィリティは相棒に告げるとさっきまわっていた時に仕掛けていた小型カメラを回収する。
「今回の件が人為的なものか現象的なものか、まずはそれを確認しないとね」
「普段からそれだけ論理的だと私も楽なのに」
 セレアナの小言をよそにセレンフィリティはカメラの中身を確認する。
「ワタシにも見せて」
「詩穂にも」
 笠置と騎沙良が横から覗き見る。
 そこには真っ白な何かが廊下を横切る姿が映っていた。
 明らかに太い腕や足。例の着ぐるみで間違いないだろう。
「不審者で確定だね」
「やっぱり幽霊じゃなかったね☆」
「あったりまえよ。そんな非科学的な存在がいるわけないのよ。英霊とかは別だけど。久瀬も気にしすぎなのよね」
 うんうん、と頷く一同。
「でもこれで向かった方角が分かるわね」
「そうじゃのう。ここは一つ包囲戦でも行うか」
 セレアナにジョージが続く。
「その必要はないみたいよ」
 セレンフィリティの視線の先、ウサギの後ろ姿があった。
「出来すぎた話ね」
「人生って意外と簡単なものよ。壁にあたったらぶち壊せってね」
「それは簡単そうじゃの」
 色々間違っていると思えなくもない会話をしながら彼女たちはウサギへと近づいていく。しかし途中で気付かれたようで、急にウサギが駆け出した。
「待てー♪」
「逃がさないわよ!」
「捕まえないとね」
 各々、叫びながらウサギの背中を追いかけ始めた。