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リアクション
〜 蒼空ヒーロー大戦 Siene 1 プロローグ 〜
薄暗いステージの中、静かな声が会場内に響き渡る
『倒せ!我らが暗黒の組織に仇なす愚かな戦士どもに血と涙の鉄槌をくらわせろ!
我が主、ハデス様の名の元に叩き伏せるがいい!!』
影から聞こえる声と共に鳴り響く剣戟音
現れるは一人の魔砲少女と一人の騎士の姿……一人の騎士はフードを深く被り、その顔を見ることは出来ない
傷つきながら次から次へと現れる戦闘員に果敢に立ち向かうも、ついに大勢に囲まれてしまう
お互いの背中を合わせて背後を守るように寄り添う二人のうち
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)扮する魔砲少女が共に戦っている仲間の騎士に口を開く
「どうやら囲まれたみたいね、これまで……と諦めたくないけど、正義に殉ずるのが我らが定め!
ともに最後まで諦めずに……」
「いや………君は生きろルカ。ここは俺が何とかする!」
「!?何を馬鹿な事を……!」
騎士の言葉に驚き、反発する魔砲少女
そのやり取りをあざ笑うかのように、先程の声の主……
山下 孝虎(やました・たかとら)扮する悪の幹部【虎鬼】が姿を見せる
「青い命のやり取りは終わりにさせてもらおうか?
ずいぶんと潔い選択っちゃあ選択だが……所詮は無駄死に……大人しく消え去るがいい」
「【虎鬼】か!……たとえこの身が朽ち果てようとも!お前にはせめて一矢報いる!いくぞ!!」
「一矢か……そういうのを俺達はこう言うのさ……【犬死】だとなぁぁぁぁ!」
騎士の剣と【虎鬼】のグレートソードが交錯する……激しい衝撃音とともに倒れたのは……騎士の方だった
「そんな!よくも……次は私が!」
魔砲少女が激昂して【虎鬼】に斬りかかろうとするも、囲んでいた兵士達の大勢の攻撃を喰らい
無力にも取り押さえられてしまう
「貴様らの信念などこんなものよ……地獄の底で無力を悔やみもがくがいい」
【虎鬼】がグレートソードを天に翳すと共に、舞台が割れ奈落の下に倒れた騎士が沈んでいく
奈落の底に消えて行きながら、騎士は魔砲少女に手を伸ばす
「せ、正義の心を忘れるな!俺は必ずよみがえ……る………」
「あああああああああああああ!」
舞台の下に消えていった騎士を、囚われのまま見送る女戦士の咆哮がこだまする
そこに悠然と手に陽炎を揺らめかせながら悪の勝者が歩み寄ってくる
「はははは、見たか!力なき正義など無力なのだ!
悔しいか?俺が憎いか?そして何より力のない自分が!?……ならば力をくれてやろう
その瞳に宿した憎しみの闇の炎で、力なきものを憎むがいい!!」
【虎鬼】の手の陽炎が魔砲少女に伸びる刹那
雷鳴とともに舞台が眩しく輝き、スモークとともに一瞬視界が遮られていく
スモークによって舞台に伸びる無数の光の柱が交錯する中
長原 淳二(ながはら・じゅんじ)によるナレーションがステージに響き渡る
「かくして、多くの正義の戦士が戦い、倒れていく中
【悪の秘密結社オリュンポス】はパラミタに暗躍を続け、世界は闇に包まれていく
だが、そんな中でも希望の光をあきらめず、彼らに敢然と立ち向かう正義の戦士達の姿があった
これは、そんな彼らが手を取り合い、強大な悪に立ち向かっていく物語である!
大変長らくお待たせいたしました!……【蒼空ヒーロー大戦!】いよいよ始まります!!」
ひときわ輝くステージに壮大な音楽が流れる
プロローグが終わり、本格的なショーの幕開けである
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