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危険な香りを退け、汚部屋住人を救出しろ!

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危険な香りを退け、汚部屋住人を救出しろ!

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第一章 いざ、強敵待ち受ける古城へ!!


 ササカの必死の呼びかけによって多くの協力者達が古城に集結した。

「それでオルナがよくいる場所とかある?」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)がまずオルナに質問した。
「……よくいる場所と言ったら書斎とか実験室とか。でもあちこち使い回るから」
 ササカはほんの少し考えてから困ったように答えた。
「……あちこちか。しかし、電話で快眠香の話をしていたという事は実験室にいるだけではなくそこが原因となっている可能性が高いな。念のため他の部屋も探す必要はあるが」
 ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が得た情報から高確率の場所を予想する。
「大雑把でも構いませんので各部屋の配置とオルナさんの容姿などの特徴をお願いします」
 次に御神楽 陽太(みかぐら・ようた)の子孫御神楽 舞花(みかぐら・まいか)が訊ねた。掃除にしても救助にしても迅速に行うには必要な情報だ。
「……部屋の位置ですか」
 オルナの特徴についてはさらさらと口にしたが、部屋の配置はさすがのササカも困ってしまった。何せ古城のため部屋数は普通の家の何倍もある。
「それなら問題ありません。現在は違っているかもしれませんが、役には立つはずです」
 ササカの代わりにロア・キープセイク(ろあ・きーぷせいく)が銃型HC弐式に入れていた地図を見せた。
 前もってグラキエス・エンドロア(ぐらきえす・えんどろあ)の『資料検索』とロアの『情報通信』で入手しておいたのだ。
「……ありがとうございます。どこの部屋も汚くて酷い状態だと思いますから気を付けて下さい。前来た時、変な匂いにやられて一時間失神した事があったから」
 ササカは以前、訪問した時の事を思い出していた。
「……それはまずい」
 ゴルガイス・アラバンディット(ごるがいす・あらばんでぃっと)が言葉を洩らした。自分の身よりもグラキエスの体調の事を心配している。
「……換気をしてから侵入してはどうであろう?」
 草薙 羽純(くさなぎ・はすみ)が提案。
「換気をすれば、臭気温度を下げる事ができるな」
「そうじゃな。しかし、外から中の様子は分からぬ気を付けた方がよかろう」
 ダリルとルファン・グルーガ(るふぁん・ぐるーが)は羽純の提案に頷きながらも警戒は怠らない。
「はい。開けた途端、爆発という事もありましたから」
 ササカは困った顔でルファンの言葉に答えた。命懸けの大掃除になりそうである。
「……とりあえず、大丈夫そうな部屋から開けていくね」
 オデット・オディール(おでっと・おでぃーる)が最初に動き出した。
「それならあたしも手伝うよ」
 オデットが何をしようとしているのかを察したセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)は速やかに行動した。
「私も手伝いましょう」
 ロアも協力する。何より突入するグラキエスのために。
「……二次災害が起こらないようにしないとねぇ」
 清泉 北都(いずみ・ほくと)が最後に参加した。
 四人の『サイコキネシス』によって正面玄関のドアと廊下や危険度が低いと思われる部屋の窓が次々に開け放たれ、突入のための下準備が整えられた。
 そして、細かな打ち合わせを終えてオルナ救出と強敵ごみとの戦闘が始まった。