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リアクション
「雪だるまとミニ雪だるまを使って何とか起こしましょう。まだ粉の効果は残っているはずですから一緒に歩いて戻れるはずです」
美央はみんなに指示をして雪だるまを起こすことに。
「子供達に優しくされたからきっと今度は暴走しないはずでござるよ」
雪だるまとミニ雪だるまを使って起き上がることに成功した暴走雪だるまは、ゆっくりと歩き始めた。スノーマンの言葉通り暴走の様子はどこにもない。元暴走雪だるまの表情が心なしか優しく見える。
「では、戻りましょう」
美央の合図で四人と元暴走雪だるまは森を抜けた。
ブローチを回収したみんなが森の中を歩いている間、助け出された子供達は森の入り口で待っていた。ナコのブローチが気になるためどんなにお兄ちゃんやお姉ちゃんが帰ろうと行っても動かなかったのだ。
「……戻って来ないね。先生の宝物、見つからなかったのかな」
「どうしよう。先生、泣いちゃうね」
子供達が次々に悲しそうな顔になって泣き始める。
「はいはい、大丈夫だよ! 泣かないでね」
泣く子供達に真っ先に動いたのは葵だった。子供達の前に出て『マジカルステージ♪』で心が楽しくなる歌と踊りで子供達の心を掴んで泣いていたことを忘れさせてしまう。
「私より目立つなんて」
森から愛美達と抜けた目立つことが大好きな美羽は、葵の華麗なステージに少しむっとしていた。
しばらくして、ブローチを取り返した依子とコハクと子供達が戻り、その後に美央とレイナ、スノーマンとクロセルに少しばかり大きくなった優しい顔をした元暴走雪だるまが現れた。
「キミらで最後だな。ブローチは見つかったのか」
恭司は戻って来た子供を確認してからブローチのことを聞いた。
「……見つかったよ。ね」
コハクは恭司に答え、依子と一緒にいる獣人の女の子に頷きかけた。
「うん。ほら」
大事に握り締めていた右手を開くと中にはナコの大切なブローチがあった。
途端、他の子供達は嬉しそうに喜んだ。先生が元気なると。
「よし、子供達も揃ってブローチも取り返したと。幼稚園に帰るか」
恭司はもう一度、子供の人数と名前を確認してから出発の合図を出した。
幼稚園に戻る道々、子供達は元暴走雪だるまが気になって仕方が無かった。
「この子はもう大丈夫でござるよ。友達になってあげて欲しいでござる」
スノーマンがちらちらと元暴走雪だるまを見る子供達に言った。
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