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リアクション
カラフルな釣り竿が完成した時、外が妙に賑やかなになっていることに気付いた。
「どうしたのかしら」
真っ先に外に出たのは、一番心配していたナコだった。
外に出ると森に行った子供達と助けに行ってくれた生徒達、そして少しばかり大きくなった元暴走雪だるまがいた。
「あぁ、良かったぁ。本当に無事で」
ナコは安心のあまり帰って来た子供達を抱き締めた。すっかり安心の涙を流してる。
「……ナコ先生」
抱き締めるナコを見て、後ろにいる恭司の方を見た。恭司はこくりと頷いてヴァルキリーの男の子に答えた。
「……先生の言うこと聞かなくてごめんなさい」
恭司に言われた通りしっかりと謝った。他の子供達も次々と謝っていく。
「先生もごめんなさい」
子供達を抱き締め終わってからナコも謝った。自分の不注意が一番の原因だったのだから。
「先生、あのねこれ」
女の子がずっと握っていた手を開いた。手の平の上には留め具が壊れた花のブローチがあった。紛れもなくナコの大切な宝物。
「私のブローチ!!」
まさかブローチが戻って来ると思ってはいなかった彼女はとても驚き、受け取った。
「あのね、お兄ちゃんとお姉ちゃんが雪だるまさんから返して貰ったの」
渡した女の子は冒険した後のようにわくわくが終わらない感じで説明する。
「そう、ありがとう。ありがとうございます」
頭を撫でながらお礼を言った後、子供達を助けてくれた学生達に深々と礼を言った。
「先生、兄ちゃん強かったんだよ。怖いオオカミをあっという間に倒したんだ」
「あのねあのね、お姉ちゃんはとっても歌が上手でね」
「先生、雪だるまはとっても寂しがり屋なんだよ」
子供達はナコに話したくてたまらない様子で次々に助けに来てくれたお姉ちゃんやお兄ちゃんのことを話し始める。ナコはブローチを握りしめながら子供達の話を聞いている。
「わぁ、帰って来たんだ」
教室にいた子供達も外に出て来てお友達の冒険話を聞くのだった。
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