空京

校長室

帰ってきた絆

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帰ってきた絆

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突撃! イーダフェルト2号内部! 1

一方、
巨大機動神殿群イーダフェルト2号に乗り込んだ、
契約者たちは。

「ふーむ、ろくりんくんはこれでいいのか?」
姫神 司(ひめがみ・つかさ)がつぶやく。
司は、空京のうらびれたバーで、「本物のろくりんくん」に出会っている。
そのため、キャンディスのろくりんピック開会宣言に
ちょっと疑問はあったのだが。
「まぁ、悲劇を起こさないようにしなければ、
次のろくりんぴっくもないゆえハワイ到達は阻止させて貰うぞ。
それに久々の実戦だ、これからの冒険への肩慣らしとさせて貰おう」

それよりも、ひさしぶりの戦闘への高揚感から、
好戦的な笑みを浮かべると、
ポムクルさんたちの操る、ゆる族型起動歩兵に対峙したのだった。

「司がやる気なら仕方ないですね……。
でも、ちゃんと手加減はしてあげてくださいね」
グレッグ・マーセラス(ぐれっぐ・まーせらす)が、
司をなだめつつもフォローに回る。

「ナノダーシネー」
「ナノダーコロスー」

悪のポムクルさんが、危険な言葉を発しつつ、
ゆる族型起動歩兵で弾幕を張る。

「わぁ、本当にゆる族みたいだねぇ……いいねぇ、和むなぁ」
ゆる族大好きな曖浜 瑠樹(あいはま・りゅうき)は、
にこにことゆる族型起動歩兵に笑顔を向けた。

「たしかに、ゆる族の私から見てもかわいいです……
って!
そんな事言ってる場合じゃないですってばー!」
猫のゆる族、マティエ・エニュール(まてぃえ・えにゅーる)は、歴戦の武術で、
ゆる族型起動歩兵を相手取り、戦いを開始した。

「たしかに、光学迷彩とか使われたらやっかいだねぇ。
心は痛むけど、皆に先に進んでもらうため本気でやらせてもらうよ」
瑠樹が、ホークアイで狙いを定め、
ホエールアヴァターラ・バズーカでポムクルさんをぶっ飛ばす。

「正気に戻ったら、後で一緒にお正月しようなぁー!」
「ナノダーヤラレター!」
やられ方も悪役っぽく、悪のポムクルさんは吹っ飛んでいった。

「敵は重装備。
ならば、こちらは身軽さを活かしていくぞ。
目指せ、金メダルだ!」
司も、翼の剣を振るい、ゆる族型起動歩兵を屠っていく。

「ナノダーギャー」

「注意してくださいね、司」
パートナーを見守っていたグレッグだが、
ふと異変に気づき、護りの翼を使う。

「私も守護天使。パートナーは私が守ります!」
グレッグの光の翼に守られ、
司はうなずく。
「ああ、そなたがいるこそ、安心して戦えるというものだ!」
司は、光に一瞬ひるんだポムクルさんのゆる族型起動歩兵を両断した。

「わあ、ろくりんピック、盛り上がってるみたいだね。
そういえばマティエも
ろくりんくん関連キャラだねぇ」
マティエも、「カレーのろくりんくん」と一緒に煮込まれたのだった。
「今そんな場合じゃないですって!」
瑠樹とマティエはそんな会話を繰り広げつつ、
ゆる族型起動歩兵を吹っ飛ばしていく。

「ナノダーウワー!」
しかし、ポムクルさんは、死んでも死なない。

一方、推理研メンバーは、事件解決のため戦っていた。

「どんな理由があるのかは知らないけど犯罪は犯罪。
ジャスティシアとしては一刻もはやく事態を収集しないと」
朝倉 千歳(あさくら・ちとせ)は、テロリストを倒し、事件を解決するため、
パートナーのイルマ・レスト(いるま・れすと)と、
同じ推理研のマイト・レストレイド(まいと・れすとれいど)
林 則徐(りん・そくじょ)とともに戦う。

「ゆる族の姿の起動歩兵というか、
小人さんを張り倒すのは忍びないが、今は心を鬼にするしかない」
「ああ、まさか英国に帰ってるときにこんな事件が起こるとはな。
しかも、推理研のメンバーが巻き込まれてるし……。
放っておくわけにはいかない!」
千歳の援護を受け、マイトが、スタンロッドカスタムで、
ポムクルさんたちを無力化していく。

「さあ、ゴルダをくらえ!」
マイトがゴルダ投げで撹乱し、
ゆる族型起動歩兵の進軍を防ぐ。
「……焼却する!」
則徐は、ヒロイックアサルトを用い、
電脳術式『迦楼羅焔』で、一気に炎の攻撃を仕掛ける。

「ナノダーギャー」
「ナノダーコロスー」

「のんびりした態度だが物騒だな。
マイト、気を抜くなよ」
「ああ、わかってる」
千歳とマイトの連携を、
イルマは後方から支援しつつ見つめていたが。

(千歳、マイトさんと呼吸合ってますわね。
二人共正義馬……もとい、こうした場において頼りになる方々ですもの。
複雑ですけど、お似合いなのかもしれませんわね)
しかし、自分でそう思ったとき、イルマの視線に、
千歳にかばわれるマイトの姿が入った。

ズガガガガガガガガッ!!

「うおおおおおおっ!?」
「あら、ごめんなさい、マイトさん。
急に射線に入られたもので」
マシンピストルを優雅に構え直し、イルマはにっこり笑った。

「そ、そうか」
(このままだと後ろから殺られる!?)
「どうした、マイト。
冷や汗をかいているぞ」
「いや、なんでもない。行くぞ!」
マイトは、なるべくイルマに背中を取られないよう気をつけつつ、
千歳とともに前線に立ったのだった。


連携での戦いといえば、
こちらは即席のチームプレイだが、
フリードリッヒ・常磐(ふりーどりっひ・ときわ)
パートナーの『鱗事典』 常磐雪景(うろこじてん・ときわゆきかげ)
そしてエルサーラ サイジャリー(えるさーら・さいじゃりー)
パートナーのペシェ・アルカウス(ぺしぇ・あるかうす)たちも、
かなりの息の合った戦いを見せていた。

ゆる族型起動歩兵に囲まれたものの、
フリードリッヒとエルサーラは、お互いの背中をかばい、
一気にポムクルさんたちを吹っ飛ばす。

「へえ、あんた、なかなかやるじゃないの」
「君もね。
ここは協力して道を切り開かないか?
僕はフリードリッヒ。フリッツと呼んでくれ。君は?」
「私はエルサーラ。
丁度良いわ。貴方も進むんでしょ。
なら、私と一緒に来なさいよ」

こうして一行は、戦いを繰り広げる。
「そういえば、なんで、君はここに?
僕らは、気づいたら道に迷ってここにいたんだ」
「フリッツ、それって……。
私は、奥に行く皆の道を切り開いてあげようと思ったの」
「へえ、皆のために戦おうというのか」
「別に皆のためとかじゃなく
たまたまこの辺りのポムクル達の根性を入れ直したくなったからよ!」
そんな会話をしつつも、
フリードリッヒとエルサーラは、
空中でお互いの身体の向きを入れ替え、
ポムクルさんたちを撹乱し、
ゆる族型起動歩兵を撃破する。

「流石。やる」
「あんたもね」
フリードリッヒとエルサーラは笑みを浮かべ行った。

「『誰かが邪魔者を吹っ飛ばしたり、
食い止めたりしないとダメだからよ』
……って言えば良いのにね」
白モモンガのゆる族、ペシェが、こっそりと、
『鱗事典』 常磐雪景に言っていると。

「五月蝿いわねっ。手が止まっていてよ」
「あっ」
エルサーラにおでこをぺちんとされ、
ペシェがおでこをさすりつつ、戦闘に集中する。

「まあ見ててなのです。
伊達に【ネフェルティティガード】じゃ無いって所を見せちゃいますよ」

ライトニングブラストで
ゆる族型起動歩兵をぶっ飛ばし、
ペシェが言う。
「ポムクルさんたち
美味しいお菓子を食べて
機嫌直してくれるなら痛いことはしませんよー?」

ペシェがお菓子をばらまいて、
ポムクルさんたちを誘惑する。

「ナノダーオカシー」

一瞬、お菓子を拾っていたが、
すぐにポムクルさんたちは攻撃をしてくる。

ペシェやマティエなど
ゆる族相手でもポムクルさんたちは攻撃の手を休めない。

「ああっ、お菓子あげたのに、
しかたないですねー」
ペシェがパイロキネシスを放つ。

「相手が容赦しないなら、
こちらも容赦せず対抗するしかないな。
爆炎よ!」
禁じられた言葉で能力を開放し、
『鱗事典』 常磐雪景は、ファイアストームで攻撃する。

火の粉が巻き上がり、ゆる族型起動歩兵が燃えていく。
しかし、ポムクルさんは死んでも死なないので、倒されても大丈夫である。

「これって、命の恐怖がないってこと?
だとすると、けっこう厄介な敵よね」
「たしかにね。
でも、命を取らずにすむならそれにこしたことはないよ。
もっとも、死んでも死なないといっても、
なるべくこのまま無力化していきたいけどね」
エルサーラにそう答えつつも、フリードリッヒの攻撃にはためらいがない。

契約者たちは、ポムクルさんたちと本気で戦う決意を固め、
味方の進む道を作っていくのだった。