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リアクション
突撃！ イーダフェルト２号内部！ ２
一方、味方の支援のため、
尽力する契約者たちがいた。
「さぁ、狩りの時間だ」
「さぁ、狩りの時間よ」
背中合わせで同時に言い、
魔鎧「空天駆狼」を装備したハイコド・ジーバルス（はいこど・じーばるす）と
獄炎狼化の術を使ったソラン・ジーバルス（そらん・じーばるす）は、
ゆる族型起動歩兵を吹き飛ばして、
契約者たちの道を作る。
ウオオオオオオオオオオオオオオオオン！
巨大な炎の狼に化身した
ソランの咆哮にあわせ、
ハイコドが叫ぶ。
「ここは俺達に任せて先に行けぇ！」
お約束のセリフを言ってご満悦のハイコドが、
ソランの攻撃で爆炎をあげているゆる族型起動歩兵にとどめをさす。
「俺達が、本当の狩りってやつを教えてやるよ」
天宝陵『万勇拳』奥義・自在のバリエーションである、
喰牙で、ハイコドが刀の形状の闘気を具現化する。
「ナノダーシネー！」
「ポムクルさんは恐怖を感じないのか？
だが、だったら！」
ハイコドが両手を振りかぶる。
「手加減する必要もないな！」
両断されたゆる族型起動歩兵が、地面に落ち、爆発する。
「ナノダーコロスー」
また向かってくる別のゆる族型起動歩兵を見て、
黒田 紫乃（くろだ・しの）はぼそりとつぶやく。
「小さくて可愛いからって容赦ないわね、
これだっらモイちゃんの方がずっと可愛いわ」
紫乃の肩の上で、
モイが「モイモイ」と同意の声をあげている。
「たしかにね。これは遊びで片づけるにはちょっとやりすぎかな」
白石 十兵衛（しらいし・じゅうべえ）が、
紫乃のあきれ顔に同意する。
「これはちょっとお仕置きが必要ね。
行くわよ、十兵衛！」
紫乃は、サイコキネシスでゆる族型起動歩兵を
持ち上げぶつけようとするが。
「な、けっこう重いじゃない！
でも！」
力を全開にして、
紫乃はゆる族型起動歩兵を弾き飛ばす。
「可愛いから許されると思わない事ね！ 小人ども！」
「小人たち、いくら何でもおいたはいけないよ！
そこらじゅうで大変な事になっているんだから、ここを通らせてもらうぞ！」
十兵衛が、雅刀で、他のゆる族型起動歩兵を牽制する。
「ナノダーシネー！」
「うるさいわよ」
破壊されたゆる族型起動歩兵からはい出してきたポムクルさんを、
紫乃が足でぷきゅっと踏みつける。
「死んでも死なないんでしょ？
さっさと倒されなさい！」
「そうだよ。紫乃を敵に回すともっと恐いことになるぞ！」
「モイモイ」
十兵衛とモイが言う。
「俺は、紫乃を傷つけるものは誰であれ許さないからな」
十兵衛の口調は穏やかだったが。
「ナ、ナノダー！？」
悪のポムクルさんがその迫力にひるんでいる。
「私達も負けられないわ。ハコ！」
人の姿に戻ったソランは、分身の術で一気に敵を相手取っていたが。
「行くぞ、裳之黒！」
巨大な黒狼、裳之黒を呼び出し、
ハイコドは、爆発するゆる族型起動歩兵たちの中から、
ソランをお姫様抱っこしてジャンプする。
次の瞬間、ゆる族型起動歩兵が爆炎に包まれていく。
「ありがとう、ハコ」
「愛する女を抱えて飛べなくて何が男だ」
華麗に着地したハイコドはソランと見つめ合う。
「すごい……！
あたしたちも負けないように頑張るわよ」
「ああ。紫乃は俺の後ろに立っていてくれ」
紫乃と十兵衛はハイコドとソランに感謝しつつ、
自分たちも負けられないと決意を新たにする。
「さあ、俺がゆる族型起動歩兵を相手にする。
紫乃はとどめを頼む！」
「ええ！」
「モイモイ」
十兵衛のアルティマ・トゥーレでゆる族型起動歩兵が凍り付き、
紫乃ははい出してきたポムクルさんを踏み潰していく。
「ナノダーコロ……ぷきゅっ」
「外見なんかに惑わされないわよ！」
一方、謎の仮面の二人組が、戦場に現れていた。
「苦戦しているようね、手を貸しましょう！」
ティアン・メイ（てぃあん・めい）は、
盗賊のアイマスクを身に着け、
普段は束ねている長い髪をおろしている。
「仮面の剣士ティリス！
助太刀に参上よ！」
ノリノリの「仮面の剣士ティリス」こと、ティアンに対し、
狐のお面をつけた高月 玄秀（たかつき・げんしゅう）は、
ため息をついていた。
「僕は静かに暮らせればいいだけだったのに、
何故こんな所に狩り出されるのか……」
パートナーの正義の味方ごっこに巻き込まれ、
全身から悪役オーラを発しつつも、
ポムクルさんと戦う契約者の味方をすることになっていた。
「しかたないな。
敵の名前がわかっているからには、
遠隔呪法で呪詛を掛ける。
動きを止めるからタコ殴りにしてこい」
玄秀が、マンドレイクに、呪詛を使い、ダメージを与えようとする。
「もっと真ん中でドンパチしたかったのにー」
「ぜいたくを言うな。
目的は敵を倒して事態をとっとと収拾することだ」
「じゃあ、私が守ってあげる！」
その隙に、「仮面の剣士ティリス」は、
玄秀が攻撃されないようかばいつつ、
ゆる族型起動歩兵を攻撃する。
「ここは私達に任せて先に行きなさい！
……くぅ、一度言いたかったのよねこの台詞！」
「あ、ああ。助かる。
しかし、その仮面は？」
無限 大吾（むげん・だいご）が礼を言いつつ、
振り返るが。
「気にしないで行きましょう。
早く戦いましょう！」
パートナーのセイル・ウィルテンバーグ（せいる・うぃるてんばーぐ）が、
せっつくので、大吾は先を急ぐ。
玄秀がマンドレイクに呪詛を使うと。
シュバルツ・フリーゲ・ドライでは……。
「なんだぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛！？
悲しいな゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛！！
おれはぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ、
戦いたいのにぃ゛ぃ゛ぃ゛！！」
コックピットでマンドレイクがダメージを受け、悲鳴を上げていた。
そのため、
多少の隙が生まれて、契約者の支援に役立っていた。
「最深部へ向かうぞ！
世界は、仲間は、俺が守ってみせる！」
大吾は、防御を固め、
インフィニットヴァリスタを構える。
「ナノダーコロスー！」
「この一撃、受けてただで済むと思うな！ 貫けぇーー！！」
インフィニットヴァリスタのゼロ距離射撃で、
ゆる族型起動歩兵が吹き飛ばされる。
「目障りだ、クタバレ虫けら共がぁ！
ケヒヒヒッ……喚け！ 叫べ！ 砕けて潰れてそして散れぇぇーーー！！
ククク、アハハハハッ！！」
金剛嘴烏・殺戮乃宴を振り回すセイルは、破壊の権化となり、
機晶ブースターと加速ブースターで全力で突っ込み、
ゆる族型起動歩兵を破壊して回っていた。
「アハハハハハハハッ！
死んでも死なないポムクルに手加減など不要！」
「ナノダーコロスー！」
「殺すのはこっちだ、虫けらどもぉ！」
金剛嘴烏・殺戮乃宴でゆる族型起動歩兵を叩き潰し、
セイルは笑みを浮かべた。
「……いつものことだが、
もう少し正義の味方らしくしたいものだな」
そう言いつつも、大吾は仲間の道を作るため、
ゆる族型起動歩兵を撃ち抜き、倒していった。
かくして、ゆる族型起動歩兵は、
契約者たちの連携の前に、撃破されていったのだった。
