空京

校長室

帰ってきた絆

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帰ってきた絆

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デヘペロの決意 2

一方、そのころ、デヘペロのパートナーは。

「ところであなた、お名前は?」
館下 鈴蘭(たてした・すずらん)が名前を聞くが。

次の瞬間、ゆる族型起動歩兵の攻撃で、激しい爆発音が起きた。
「……っ!」
「え、なに? 聞こえない!」

「ポムクルさん!
どいてくれないと、これでぶっ放しちゃうよ!」
霧羽 沙霧(きりゅう・さぎり)は、
ホエールアヴァターラ・バズーカを構えて叫ぶ。

「ナノダーシネー」
「もう、しょうがないなあ!」
沙霧は、警告に耳を貸さないポムクルさんに宣言通りバズーカをぶっ放す。

戦場に轟音が巻き起こる。

「ここじゃゆっくり話してられないみたいね。
しかたない、あなたの自己紹介は後で聞かせてもらうわ!」
鈴蘭は、デヘペロのパートナーの手を取り、
イーダフェルト2号内部を走り出す。
「ありがとう!」
「いいのよ、あなたの一大事なんだから、
デヘペロを皆で止めないと」

こうして、一行は、最深部と思しき扉の前にたどり着く。
「ペロオオオオオ、覚悟を決めたデヘペロはこんな扉ぶち破ってやるぜええ」

「待て、デヘペロ!」
神崎 優(かんざき・ゆう)と、神崎 零(かんざき・れい)は、
デヘペロを止めようと叫ぶ。
「この大馬鹿やろう!
お前が死んだら、お前の大切なパートナーが心身共に多大な傷を負うんだぞ!
お前にとってパートナーとはその程度の存在なのか?
本当に大切だと思うなら生きてイーダフェルト2号を止めてみせろ!」
「自分自身の命と引き替えにしてでも
大切なパートナーの故郷を守りたいと思うのは素晴らしい事だと思います。
けどそんな事をしても誰も喜びません!
ただ傷付き悲しむ人が増えるだけです」

「ペロオオ?」
「俺達は誰もお前の死を望んではいない。
それにお前には大切なパートナーが、俺達がついている。
共に手を取り合い絆の力でこの困難を乗り越えるんだ」
「そこまで大切に想えるのなら命を粗末にせず、
貴方の大切なパートナーや私達と手を取り合って、共にこの困難を乗り越えましょう。
大丈夫です。
貴方は一人じゃない。私達や仲間達がついています!」

「デヘペロ、悪魔だからそういうのよくわかんない」
「よくわかんないですませるなよ!」
「だって、なんかいい子の理屈だもん、ペロロロロオ」
デヘペロが、優と零を攻撃してくる。

「な、なんかごめん!
ほんとにいいこと言ってくれたのに、
いろいろだいなしにしてごめん!」
デヘペロのパートナーは、心底、いたたまれなさそうに叫ぶ。

「デヘペロ!
あなたが死んじゃったら、ロストとか以前にこの子も悲しむわ!」
鈴蘭はデヘペロに叫ぶ。
「いや、あんまり悲しくはないかも……」
「って、パートナーさん、今は本音はしまってあげて!」
沙霧が、デヘペロのパートナーに言う。

「それに思い出してよ、
あなたあっちこっちで分裂とか色々してたじゃない!
よくわかんないけど、それ使えば死ななくて済むんじゃない?
悪魔だし!」
「よくわかんないって……悪魔だからって……えぇー……」
沙霧が鈴蘭の発言に突っ込むが。

「ペロオオオ、たしかにその手があったな。
だが、デヘペロの全エネルギーを使わないと、
混合細胞は破壊できない気がするぜえええ」
「だから、全エネルギー使ってもいいから、
生き延びるんだ!
俺達がついているっていっただろう!」
「そうです、貴方を助けたいと思ってる人が大勢います!
だから、自棄にならずに、私達の話を聞いてください!」
「ペロオオオ、そういうのよくわかんない」
「よくわかんないじゃないだろ!」
「もっとまじめに聞いてください!」
優と零の説得に、デヘペロは耳を貸さない。

そこに、鳴神 裁(なるかみ・さい)
アリス・セカンドカラー(ありす・せかんどからー)が現れ、
全力で攻撃しつつ叫ぶ。

「「デヘペロは新世界探検隊に誘うんだから死んでもらっては困る。
そこのデヘペロのパートナーの子!
一緒にデヘペロを止めるよ!!」」

「ペロオオオオ、なんでお前らユニゾンでしゃべってるんだああ」
「「それが今日に限ってユニオンリング忘れちゃったんだよね。
でも、その程度些細なこと!
デヘペロ、新しい世界にはデヘペロが必要だ!」」
裁とアリスは同時にしゃべっている。

「「さあ、早くしないとこの子に蒼汁を飲ませちゃうぞ☆」」
「ちょ、なんで蒼汁!?
グフウ!?」
裁とアリスはデヘペロのパートナーに蒼汁を飲ませていた。

「デヘペロ、悪魔だからそういうのわかんない」
「って、さっきからそんなことばかり言って、
ごまかさないでください!
生き急いじゃいけないよ、デヘペロ君!」
河埜 空華(こうの・そらか)は、ポムクルさんたちをぶっ飛ばしていたが、
デヘペロにも光条兵器を振りかぶる。

「ポムクルさんたちには悪いですが、
今は邪魔しないでもらえますか?」
クレメン・ルーティア(くれめん・るーてぃあ)は、
メイスでゆる族型起動歩兵をフルボッコにして、
撃破していた。
「ナノダーコロスー」
「だから、今は邪魔しないでください」

「ペロオオオオオオオオ、デヘペロは生き急いじゃいないぜええ。
ただ単に、パートナーのために絆のために戦ってるんだぜえ」
「言うこと聞いてくださいよ!
私だって、混合細胞のサンプル採取したいけど、
危険物質だから破壊して我慢しようとしているんですから!」
「デヘペロ、危険とかよくわかんない」
「デヘペロ君、話を聞いてください!」
空華は、そう言いつつ、デヘペロを全力攻撃していた。

「ポムクルさんも場の空気呼んでください」
「ナノダーカオスー」
クレメンにゆる族型起動歩兵が殴られ、ポムクルさんが叫んでいた。

「ちょーっと待った」
リア・レオニス(りあ・れおにす)が、
小型飛空艇ヴォルケーノで飛んできてデヘペロに横付けする。
「このまま消えるとパートナーも死ぬぞ」

「そうです、脱出しましょう。
この要塞はいずれ落ちます。
おそらく、混合細胞を浄化するなり、
攻撃を受けるなりして、危険な状態になるはずです。
そうしたら、パートナーを助けられるのはデヘペロさんですよ」
レムテネル・オービス(れむてねる・おーびす)も、
デヘペロに言う。

「責任を感じるなら、生き残って困難も乗り越えなきゃさ。
女の子を泣かせるのは魔王としてどうよって話だよ」

「そういえば、あなた女の子なの?」
鈴蘭がデヘペロのパートナーにたずねるが。

「……!」

次の瞬間、デヘペロの攻撃の轟音が巻き起こる。
デヘペロのパートナーの声はかき消された。

「ペロロロオ、パートナーの気持ちは
デヘペロのパートナーならよくわかってるぜえええええ!」
「くっ、さすが重たいな」
リアはデヘペロの攻撃をウルフアヴァターラ・ソード受け流す。
「いや、ちっともわかんないし、わかりたくもないんだけど!?」
パートナーの悲鳴が響く。
「ほら、ああ言ってるぞ。
それこそ『よくわかんない』ことじゃないのか!?」
「ペロオオオ、デヘペロを魔王として認めてくれるお前なら、
わかってくれると思ったぜえ。
だが、デヘペロの決意を止めようするなら、
誰であってもぶっ飛ばすだけだぜええええええ」
「しかたない、俺はデヘペロを守ってやるからな!」
リアは、サクロサンクトで、周囲ごと、デヘペロを守る決意をしていた。

そこに、さらに轟音が響く。
巨大化カプセルで巨大化した小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)が現れたのだった。
「あんたが死んだら、パートナーだって死ぬかもしれないんだよ!」
そう言いつつ、美羽は、スレイブオブフォーチュンRで峰打ちして、
デヘペロを無力化しようとする。

「パートナーとの絆を大切にするんだったら、
自分のことも大切にしないと駄目だよ」
コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)も、やさしく説得しようとするが。

「お前はデヘペロのテレビ出演を邪魔してきた巨大女!
今度こそ決着つけてやるぜええええ!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

美羽とデヘペロは、イーダフェルト2号の甲板を突き破り、
機動要塞の上で怪獣大決戦が始まってしまった。

「ペロオオオオオ、デヘペロは自爆してでも混合細胞を破壊するぜええ」
「ダメって言ってるでしょ!
というか、自爆されたらイーダフェルト2号が落ちちゃう!」

そう言いつつも、美羽とデヘペロの戦闘で、
イーダフェルト2号は傾いていた。
なお、激しい戦闘にもかかわらず、相変わらず、
美羽のミニスカートは驚異的な能力でめくれなかった。

「これが私の最大の乙女の魔法よ!」