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リアクション
イコン・ザ・フィナーレバトル! 4
「う゛お゛お゛お゛お゛お゛!!
邪魔ず゛る゛な゛あ゛あ゛よぉ゛お゛お゛お゛お゛!!」
うるさいを通り越してけたたましいマンドレイクの声は嫌でも耳にへばりつくようだった。
しかし、どれだけ泣こうともいけないことはいけない。許されはしない。
だからこそ、鋼鉄の獅子が牙をむくのだ。
「そのイーダフェルト2号、再利用させていただくわっ!
だから、止まってくれるかな?」
「新時代の幕開けとしてはいい代物だ。破壊するだけでは惜しい」
部隊【鋼鉄の獅子】の旗艦でもある高速空母ラグナロクに搭乗している、ルカルカ・ルー(るかるか・るー)、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)がイーダフェルト2号の前を阻む。
彼女たちだけではない。
既に鋼鉄の獅子部隊に、他の協力者の姿もある。
全てはイーダフェルト2号を止めるために、そして新たな幕開けを自分たちの手で切り拓くために。
「地球を守ろう!
私達の手で、故郷を、家族を!
絶対に混沌の魔の手には犯させない!
さあ行こう最後の戦いへ!」
ルカルカが右手を前に突き出せば、それが号令となる。
鋼鉄の獅子が動き出す号令と。
鋼鉄の獅子から続々と牙が、イコンが放たれていく。
その内の二機、ミニュイ・プリマヴェール、ジャーマが早速イーダフェルト2号に攻撃を行う。
これも先に攻撃していたイコン部隊が道を空けてくれていたから可能になったこと。
「そうだよな。こうやって何度も俺たちはフォロー、支援し合ってきたんだ!
やっぱ仲間こそ守るべきものだ!」
「やけにやる気ですね?」
「そりゃな! ジュノもデレてくれたことだしな!」
「……そうですか」
ジャーマを乗りこなす後方支援担当のウォーレン・アルベルタ(うぉーれん・あるべるた)、ジュノ・シェンノート(じゅの・しぇんのーと)。
だが今回のウォーレンはいつもよりも前に出て、積極的に主目標であるイーダフェルト2号を狙う。狙うのは動力部だが位置がわからないため、とにかく攻撃を続ける。
「ウォーレンさん、やる気満々だねっ。でも負けないよ!」
「……やっぱりねじゅちゃん、可愛いですわぁ」
後ろからの甘たるい声にややぎょっとするネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)。
今回のサポートには常葉樹 紫蘭(ときわぎ・しらん)がついているのだが、
唯一のネックは紫蘭がネージュのことを、好き過ぎるということだ。
それはネージュも薄っすらと感じていて、戦闘中にちょっかいを出してこないかちょっと不安だったりするくらいだ。
「こ、これから敵の迎撃に入るけど余所見はしないでね?」
「……もちろんですわ。精一杯サポートさせていただきます」
あくまでも笑顔、底なしの笑顔……の裏にはやはり溢れんばかりの愛情が垣間見える。
だが本人もわきまえているのか、抱きついてきたりはしなかった。
「ありがとう! それじゃサポートは任せたよ!」
「はいですわっ!」
「おう、俺に任せろ!」
「あははは、ウォーレンさんに言ったんじゃなかったけど、頼りにしてるよ?」
回線を繋いでいたウォーレンがサポートという言葉に反応したようで、大きな声でネージュに任せろと言う。
それを聞いたネージュと紫蘭はお互いに笑った後、戦闘モードに切り替えてイーダフェルト2号に攻撃を加えて、損傷させていく。