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リアクション
女王ポムクルさんを救出せよ 2
「そうは行くか!」
そこに、シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)と
リーブラ・オルタナティヴ(りーぶら・おるたなてぃぶ)が現れた。
「問答無用、『イクシードフラッシュ』!」
「な、なにいいい!?」
シリウスの特殊能力で、光が解き放たれ、
半径10メートル以内の契約者やパラミタの種族に固有の力が無効化される。
ドクター・ハデス(どくたー・はです)と
高天原 咲耶(たかまがはら・さくや)、ポムクルさんたちも無力化された。
「見つけましたよ、女王ポムクルさん!」
御神楽 陽太(みかぐら・ようた)と
ノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)は、
「不可思議な籠」を使い、女王ポムクルさんを見つけ出したのだった。
「戦いはこれで終わりです!」
「「「ナノダー!?」」」
陽太が、エンド・オブ・ウォーズで、ポムクルさんたちの戦意を失わせる。
「俺達もハワイ旅行の予定があるんです。
家族の団らんを邪魔されるわけにいかないんです」
陽太は、妻の御神楽 環菜(みかぐら・かんな)や娘と、
家族旅行に行く計画を立てていた。
「女王ポムクルさん、
皆で仲良く遊んだほうがいいよね!
ポムクルさんたちを説得して!」
ノーンがクリエイト・ザ・ワールドで、楽しげな風景を見せ、
女王ポムクルさんとポムクルさんたちに訴える。
「で、ですぅなのだー」
女王ポムクルさんが意識を取り戻し始める。
「なのだー」
「遊べればなんでもいいのだー」
戦意を喪失したポムクルさんたちも、いつも通りな発言をする。
「たしかに、兄さんと旅行に行ければ
今戦わなくてもいいですよね」
咲耶もそんなことを言い始める。
「さあ、これで悪の計画は阻止されたぜ」
「おとなしくしていただきますわ」
「おのれー、邪魔しおって!」
ハデスはシリウスとリーブラにつかまり、悔しがっている。
「ところでシリウス、後で指輪、探してくださいませね」
「わ、わかってるよ」
ペアのユニオンリングを忘れたシリウスに、
リーブラが笑顔で言う。
どことなく背景におどろ線が見える気がする。
そして。
ノーンに介抱され、女王ポムクルさんは正気に戻っていた。
「あれ、私はどうしたのですぅなのだー?」
「よかったね、女王ポムクルさん!」
ノーンの連れている、ポムクルさんA、ポムクルさんB、ポムクルさんCも喜んでいる。
「待たせたでござるな!」
坂下 鹿次郎(さかのした・しかじろう)が、
女王ポムクルさんのもとに駆け付ける。
「女王ポムクルさんは
産まれた時より拙者の愛人となる運命だったのでござる!
拙者の子を産むでござるよ!」
女王ポムクルさんは、エメネア・ゴアドー(えめねあ・ごあどー)に似た外見、
つまり巫女装束を着ている。
巫女さん大好きな鹿次郎は、妻であるエメネアだけにあきたらず、
女王ポムクルさんも愛人にしようとしているのだ。
「え、何を言ってるですぅなのだー?」
困惑している女王ポムクルさんだが、
鹿次郎はいい笑顔で迫る。
「拙者はエメネアさんとあれやこれやの続きをしたいところを、
女王ポムクルさんのために来たのでござる!
戦に勝った武将のもとで姫が妾となるのは戦国のならいでござるよ!」
「って、あなたは戦ってなかった気がするですぅなのだー!?」
すると、爆音とともに、壁が破壊された。
「のわあああああああああ!?」
爆風で鹿次郎がぶっ飛ばされる。
「新婚のくせに、さっそくそのような破廉恥な真似を!」
姉ヶ崎 雪(あねがさき・ゆき)が、
対イコン用手榴弾で、壁を爆破したのだった。
「安心しなさい、女王ポムクルさん」
「た、助かったですぅなのだー!」
雪に駆け寄る女王ポムクルさんだが。
雪は、ラスター菜箸を取り出していた。
「さあ、今すぐ、要塞の行き先を、シャンバラ大荒野にでも変更しなさい。
さもないと、珍味として食べてしまいますわ。
いいえ、むしろ、食もコミュニケーション、これは最も平和的な対話なのですわ」
雪は、女王ポムクルさんにラスター菜箸を向ける。
「早くわたくしの(胃の)中に逃げないと手籠めにされますわよ」
「この人もなに言い始めてるですぅなのだー!?」
「何を言うでござる!
女王ポムクルさんは拙者と結ばれるでござるよ!
女王ポムクルさんは、生まれるのに関係している拙者と結ばれるべきでござる!」
「そのようなこと、倫理的にもいろいろと許されませんわ。
さあ、わたくしの胃の中に入りなさい!」
「ど、どっちもいやですぅなのだー!」
究極の選択を迫られ、絶対絶命のピンチに陥る女王ポムクルさんであった。