空京

校長室

【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆

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【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆
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リアクション


地球の戦い 4

日本、東京の儀式場にて。

経堂 倫太郎(きょうどう・りんたろう)
ウィリアム・チャロナー(うぃりあむ・ちゃろなー)は、
テロリストの襲撃への警戒を行っていた。

「このような混乱した状況では、
人々の疑心暗鬼を植え付けて
そこから恐怖をあおって社会不安に陥れるくらいの奴が発生してもしかたないからな」
倫太郎の言葉に、ウィリアムがうなずく。
「そのとおりですな」

案の定、終末思想に取りつかれた暴徒たちが、
破壊活動を無軌道に開始する。

「もう世界は終わりだ!」

爆竹などを投げつけたり、鉄パイプを振り回しているが、
普通の地球人である。

契約者である倫太郎とウィリアムは、
あっという間に暴徒たちを取り押さえた。

「やれやれ。このような時に大騒ぎするとは」
倫太郎が暴徒に冷たい視線を送る。

しかし、現状、大規模なテロは発生していない。
この暴徒たちも、パニックになり暴れただけのようだった。

東京都知事のミルザム・ツァンダ(みるざむ・つぁんだ)が、
地球人に向かって呼びかける。

「皆さん!
私たちの祈りはきっと届くはずです。
心をひとつにして、大切な人たちと一緒に祈りましょう!」

ミルザムの演説の様子はテレビ中継されているが、
その護衛を務めているのは、
青葉 旭(あおば・あきら)
ヤマネコのゆる族山野 にゃん子(やまの・にゃんこ)だった。

(女王候補時代、そして最初の都知事選の時も変わらぬ仕えるべきお方だ。
決して盲目に従ったわけではない。
必要なら諌めもするつもりでいた、しかしそんな事態が訪れなかっただけだ。
彼女は己のなすべき事を判っているお方だ)
旭は、これまでのことを、そう、振り返っているが。

にゃん子は、ふと気になっている相手にメールを送る。

その相手とは、鳥人型ギフトである。

『げんき〜?
メールが届くということはこの前の都知事選の後、無事だったのよね?
旭くんに聞いても都知事選のあとに
鳥人型ギフトちゃんがどうなったか教えてくれないのよね。
すごく気になってるから今度教えてよ』


鳥人型ギフトは、都知事選の際に、
旭にどこかに連れて行かれた後、行方不明になっていた。

すると、しばらくして、にゃん子はメールを受け取る。

『あの時、君のアドバイスに従って逃げていれば……。
だが、あの時のことは、もう、思い出したくないのであーる』

「ほんとに、なにがあったのかにゃあ」
そうつぶやきつつ、
にゃん子は、今回は、自分たちの仕事が、
ミルザムの食事の世話や体調管理だけになることを願っていた。


ミルザムの演説によって、
人々は安心し、勇気を取り戻して祈りを捧げる。

「いつも気づかってくれて、どうもありがとう」
ミルザムが、旭と、にゃん子と握手を求める。

「いえ、この世界の終わりまで、
俺はミルザム様のクイーン・ヴァンガードです!」
旭は、両手でミルザムの手を握りしめた。

「無理はしないでね。
演説には水分補給も大切よ」
にゃん子も、ミルザムの手を握る。

ミルザムはうなずき、2人に言った。

「私たちも祈りましょう。
大切な人々と、世界のために」