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闇世界の廃病棟(第1回/全3回)

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闇世界の廃病棟(第1回/全3回)

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第11章 魂の解放

-AM5:00-

「パーツを拾うのは難しくないが・・・本体との照合が大変だ。私も一人で死んだら、こうやって彷徨うのかな・・・」
 動けなくなっている本体にパーツを1つ1つ手元に置き、イリーナはナラカに連れていかれそうなセリフを吐く。
「何を言っているでありますか!」
 ペシッとトゥルペの葉っぱに叩かれる。
「これで死者たちのパーツは全部揃ったのか?」
 3階から死体を運び終えた速人が、本体のパーツ照合をしていたイリーナたちを見て聞く。
「あぁ・・・これで全部だ・・・・・・」
 中庭にやってきたクルードが代わりに答える。
「ケレスさんを呼んできました」
 優希とアレクセイの2人は、病棟内でケレスを探して中庭に連れてきた。
「後は火葬してやればいいんだろ」
「えぇ・・・そうですわ」
 ウェイルにケレスがコクリと頷く。
「生まれてから数年間過ごしてきた中で、こんな最期を迎えるなんて予測できないだろうな・・・」
 中庭の中心に集まれた死体を見ながら、龍壱はポツリと言う。
「それじゃあ・・・火術で火葬してあげましょうか」
 メイベルたちは遺体を火術で燃やしてやった。
 ゴォオオッと燃えていき、煙が天へ上っていく。
「せめて安らかに眠れるといいね」
 筐子は祈るように目を閉じて言う。
「後は頼む・・・ちゃんと送ってやってくれ」
「分かりましたわ・・・」
 政敏の言葉にケレスは頷き、ランタンの中に死者の魂を回収する。
「皆さん・・・ありがとうございました。これで彼らもようやくナラカへ行けます」
 それだけ言い終わると、ゴーストタウンの町中へ姿を消した。



-AM6:00-

「トンネルの外へ出るか・・・」
 他のゴーストが襲ってこないか、真は周囲を警戒しながら歩く。
 外を出ると生徒たちが持ち出した資料などは、黒い灰になって空へ飛んでいった。
「携帯のシャメはちゃんと撮れているようね。被害者の共通点はほとんどが、余命宣告されているような病死というところね」
 病気にかかっていそうな身体の画像を見ながら、エレーナが被害者の共通点を探す。
「書き取ったメモも無事ですぞ」
 ガートナが書いたメモを幸に見せる。
「(ということはあの実験体は、病死しそうな人などが材料として使われたのでしょうか?日記の持ち主と思われる看護師の存在も気になりますね・・・)」
 病棟の謎について考え込んでいる幸に、ガートナの声は聞こえない。
 その後、夜な夜な呻く亡者の声が聞こえることはなかった。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

おはようございます、按条境一です。
身体の一部を奪われてしまったゴーストたちは、無事に成仏できたようです。
今回のシナリオで被害者の共通点がお分かりになったと思います。
ゴーストタウンで人体実験をしていたのはどういう人物か、看護師の霊は何なのか。
謎はまだまだいっぱいありますが、次回のシナリオで少し分かるかもしれませんね。

一部の方に称号をお送りさせていただきました。

では、また次回のシナリオでお会いできる時を楽しみにお待ちしております。