First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
第6章 病棟を徘徊する悪霊
-PM20:00-
「うぅ・・・ここも真っ暗だよ。何か出そうな雰囲気ね・・・」
「怖いですぅ」
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)とシャーロット・マウザー(しゃーろっと・まうざー)は、手を握り手術室へ向かう。
キャーキャー騒ぐ彼女たちの後ろで、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)とカルキノス・シュトロエンデ(かるきのす・しゅとろえんで)が苦笑する。
「(シャーロットはこういう所が苦手のようですけど、私は大好きですわ♪)」
辺りをキョロキョロと見ながら、オリヴィエ・クレメンス(おりう゛ぃえ・くれめんす)は楽しそうに歩く。
「おっと」
ダリルが足元のバケツを蹴ってしまい、ガタンッと音を立てる。
「きゃぁああっ、今の音なんですかぁー!ゴーストが出たんですかぁあ!?」
突然聞こえた物音に、シャーロットはパニック状態に陥る。
「大丈夫よシャロちゃん。ダリルがバケツ蹴っちゃっただけだから」
「そうだったんですかぁー・・・」
「あぁゆう場所こそ、絶対出ますわよね」
シャーロットが安堵するのも束の間、オリヴィエが手術室を指差して言う。
「出るって・・・何がですかぁ」
「さぁー・・・何が出るかなんて、私には分かりませんわ」
恐怖を煽るように、オリヴィエはしれっと言い放つ。
「入ってみようか」
怖がるフリをしてルカルカはシャーロットと一緒に、先に手術室の中へ入っていく。
「自分の一部を忘れるとか、なんつーか凄い忘れっぽい奴らなんだなー」
「忘れたんじゃなくって、何者かに隠されたのですわ」
傍からオリヴィエが、カルキノスにツッコミを入れる。
「いやぁあっ!」
シャーロットの足元に、顎のない老婆が転がっていた。
動き出そうとする老婆に向かって、斧を握りルカルカが勢いよく振り下ろす。
高笑いしながらザクッザクッと斬りつける。
「―・・・はぁ・・・はぁ・・・怖かったね」
息をきらせてルカルカは床に座り込むが、心中では明らかに楽しんでいた。
「怖かったですぅ」
鉄パイプをギュッと握り締め、シャーロットは銀色の双眸を潤ませる。
「こうなったら死者たちのパーツを探してあげようっ」
「えぇええー!?」
「いい考えですわ。永遠に彷徨うなんて可哀想ですもの」
「そ・・・それって動きだしたりしませんかぁ?」
「動きだすってパーツが?」
ルカルカの言葉に、シャーロットがコクリと頷く。
「そうかもしれませんわね」
またもや平気な顔をしてオリヴィエがさらりと言い放つ。
「それじゃあ、そういうのがありそうなラボに行こうか!」
楽しそうに言うとルカルカはシャーロットの手を握り、無理やり連れて行くように手術室を出て行った。
「ここかしら?」
ルカルカはドアの傍にかけてあるラボ2-2と書かれたプレートを見る。
ノリノリな彼女と比べて、シャーロットは恐怖のあまりガタガタと震えていた。
「もしかしてこの中とか?」
机の上に放置されてある冷凍ボックスを見つたカルキノスが、そっと蓋を開けてみると斬りとられた人間の舌が入ってた。
「このビニール袋の中に集めよう」
透明の袋をルカルカがカルキノスに手渡す。
「それがいいな」
ボックスの中から舌を取り出し、袋の中にそっと入れる。
「見つけましたわ」
別の冷凍ボックスを見つけ、オリヴィエが蓋を開けて袋の中に入れてやる。
ルカルカたちはゴーストたちのパーツを探し、袋に詰めていった。
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last