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闇鍋しよーぜ!

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闇鍋しよーぜ!

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 その後、喋る鍋の助言(?)を聞いた弥十郎と真名美、それに食肉の加工を終わらせてやってきた刀真、黙々と自分の仕事をこなしていたミラと、最初は凍り付いていたが、なんとか現実を受け入れ手伝いを始めた依子と一緒にいたルディ、色々なところで手伝いをしていた裕奈たちで完成までこぎつけた。
 レキとカムイと月夜は食器を洗い、いつでも皆に配れるように準備をしていたし、すばるもそれに習って一緒に手伝いをしていた。
 未散、瑞樹、アイリスの3人は鍋と世間話をしていた。
「何とか完成したね」
「見た目はまともそうだけど、中身はお察しくださいの物ですが」
「いえ、辺りの総量は少ないのですから……」
 調理班が口々に言う。
『ったく、いいんじゃねーの? 俺が喋ってるのよりマシだろ?』
「「それはそうですよ!!」」
『そーだそーだ、だからそれに比べたら毒に当たるくらいマシだ。0.02%のレア物を既に引き当ててると思えばな!』
 鍋がまたガハハハ! と笑って言う。調理班が疲れきっているのは、どう考えても、この喋る鍋のせいなのだ。
「それでは、私たちは別の仕事がありますので、これにて失礼します」
 そして、役目は終えたとばかりに、ぺこりとお辞儀をして、裕奈とバルは村から去っていく。
 祭りには参加できないことに一抹の寂しさを覚えながらも、皆はそれを見送る。

     †――†

 夜の帳が落ち、空には満点の星が輝いている。
 電気は通っているのだが、雰囲気を重んじ、辺りには篝火が炊かれていた。
 ぱちぱちと火のはぜる音が心地よく耳朶を打つ。
 中央には大亀サイズ味噌の香り漂う鍋が置かれていた。
 鍋いわく、ちょっとしたロシアンルーレットみたいなものが、鍋の中には渦巻いているらしい。
 そよ風が吹きぬけ、篝火を揺らすと、
「ははは! さあ行くぞ皆の衆! 闇鍋道訓示だ! 唱和するのだー!」
 村長に折檻されていたクロセルが、ぼろぼろになりながらも復活していた。
「一つ、鍋には己が食べれるモノのみ入れるべし!」
 実は既に毒キノコとかヤバ気な物が入っています。
「一つ、ハズレを恐れず鍋に箸を突っ込むべし!」
 ロシアンルーレットです。恐れずしてかかりましょう。
「一つ、一度箸をつけた具は漢らしく残さず食べるべし!」
 きっと、お残しは許しません! と無理やり食べさせるような人も出てくるでしょう。生真面目な人とか。
「一つ、食べた後ははを磨くべし!」
 虫歯になったら困りますからね。
「以上――」
 最後の締めをクロセルが言おうとして、南部ヒラニィ(なんぶ・ひらにぃ)にさえぎられた。
「んむ、では皆の衆! 両手のしわとしわを合わせて! 食前の合っっ掌!」
「「いただきます!」」
 70名以上の声が当たりに響き渡り、宴は始まった。