リアクション
シンクロ率が100%を示した時、『ハルパー』が金色に光りだす。
そして、その輝きが三体を包み込み、爆ぜる。
三体は空中で消し飛んだ。
アセトの前に、下半身と片腕を失ったハルが落ちてきた。そして助けを求めるように、ハルが藻掻く。
アセトもまた、腕と足を壊して動けないでいた。
そして、ハルが告げる。
〈アンドロイド。あなたは決して理解出来ないでしょうけど、この言葉を覚えておきなさい。
『メメントモリ』死を思えって意味よ。人間だけが持つ唯一の畏怖。そして、必ずこの言葉が絶望に導くわ――〉
「――理解できません。わたしに何故そんなことを言うのです?」
〈できないから言ったの。死を理解したいなら、RAR.にでもきいてみなさい……〉
ハルの機晶石が割れ、その意識は闇に消えた。
――ツーク・ツワンク
「なんだったのあの光―。あれって敵の親玉を倒したってことかなー?」
潜入部隊の回収時に金色の光を目のあたりして、梓が不思議がっていると、裾を誰かに引っ張られた。
プリム・フラアリー(ぷりむ・ふらありー)だった。
「みう、から……れんらく……ドールズ、いなくなったって……」
「え!? それほんとー! じゃあ勝ったのぉー!」
船内を歓喜が駆け巡る。
勿論、基地、ジオフロントでも歓喜の声に溢れかえっていた。
「それでは、おうちにかえりましょう。みなさまの帰路を案内します」
とナガンが締めた。
帰路の空には雲を割って夕日が差し始めていた。