リアクション
“潜入部隊より通信です! 敵ナノマシンのデータを入手したと!”
歓声が司令室に上がる。フィンクスも深く頷いて、そのデータが基地に送られてきたことを確認した。
「キョウマ博士、このデータを『ハルパー』に組み込めるか!」
「勿論! データ化されているなら、機体を戻さずに組み込むことが可能だ!」
キョウマ・ホルススは『ハルパー』にデータを転送する。これでついにゴーゴンの首を刈る『黄金のハルパー』が完成した。
「マシュー! 聞こえるか? これより、お前は敵地に迎え! 燃料と『ハルパー』の侵食率は大丈夫か!」
“大丈夫だ、問題ない! 行きの分の燃料さえあれば、帰りはどうとでも成る。急行する”
フィーニクス試作型は鳥型に変形し、エンジンの出力を上げた。
だが、前にはドールズの大群。これをまず突っ切らなければならない。
“中将! 私たちもお伴します! サポートは任せて下さい!”
“私たちが道を作るわ!”
テレジア・ユスティナ・ベルクホーフェン(てれじあゆすてぃな・べるくほーふぇん)、瀬名 千鶴(せな・ちづる)、
デウス・エクス・マーキナー(でうすえくす・まーきなー)の乗るフィーニクスがマシュー機に随伴し、空路を邪魔するドールズをライフルで砲撃する。
「分かった! 先導を頼むテレジア君!」
最初の希望の鳥が空を翔る。その鉤爪にパンドラの箱を持って――。
『ハルパー』の侵食率はすでに危険水域へと達し始めていた。