リアクション
「よくやってくれた。本当に感謝している」
車椅子に乗ったマシューが皆に激励をした。
ナノマシンの侵食により、片足片腕が完全に消失し、義手になっていた。
「ほんとこのひとったら。無茶をやらかして。足だけじゃなく頭も取り替えてもらったらよかったのに?」
車椅子を押す、マシューの奥さんが恐ろしい冗談を言う。あとで聞いた話だが、アセトの人としての基礎教育を行ったのはこの人だと聞くと、皆「なるほど」と納得した。
「取り替えたらイケメンパパになって帰ってた?」
「お前まで何を言うんだ!?」
娘にまで嫌味を言われるパパがいた。
「今回、そちらにも犠牲が出てしまった。彼らの墓には挨拶に行けないだろう。私らは君らと違ってそっちの世界にいけないからな。彼らに耐えてくれ。この世界の平和をありがとうと――」
真司、ヴェルリア、鬼羅、リョシカは跡形もなくこの世界から消失した。
そして、多くの兵士たちが貴い犠牲となって、平和がもたらされたのだった。
それが、【第三世界】に置ける伝承のおわりだった。