Illustrator:KOTA
パラミタ出現にともなって、迷信とされていた魔法が復活しました。
勢力を取り戻したヨーロッパの魔術師たちは、魔法を研究するための施設としてイルミンスール魔法学校を設立したのです。
生徒の多くは欧米出身の魔法使いですが、魔法の才能とパートナーさえいれば国籍を問わず入学が許されます。
校長はわずか10歳にして魔術師一族の運命を任された少女エリザベート・ワルプルギスで、
イルミンスールのあるザンスカールを治める
当主ルーレン・ザンスカールが幼い校長を補佐しています。
エリザベートのパートナーは、5000年以上前より生き延びている魔女アーデルハイト・ワルプルギスで、エリザベートの祖先だと言われています。
イルミンスールは今までに2つの戦いを経験しています。
1つはエリュシオン帝国が放ったニーズヘッグの襲撃、もう1つは悪魔の国ザナドゥの襲撃です。
前者は精霊と人間が共存を果たす街『精霊指定都市イナテミス』の協力を得て退ける事が出来ました。
後者は【アーデルハイト】の妹にしてカナンの国家神イナンナ・ワルプルギスとカナンの人々の尽力もあって撃退しました。以降、ニーズヘッグはイルミンスールに住みつき、ザナドゥへの入口はイルミンスールの根元に固定される事になりました。
また、ザナドゥとの戦いの折りに協力したカナンのイコン技術がイルミンスールに入ってきており、イルミンスールのイコンにはカナンの技術が取り入れられるようになりました。
生徒たちは学ぼうとする魔法の種類や出身によって所属する寮が決められ、そこで生活を送っています。
寮ごとにライバル関係にありますが、本格的な抗争に発展することはありません。
寮を含む、学校施設のすべてが世界樹イルミンスールの内部に作られています。学校の名前はこの巨木にちなんだものです。
世界樹イルミンスールは長いあいだ、ヴァルキリーの一族であるザンスカール家により守護されてきました。
当初ザンスカール家は地球人をいぶかしみ、追い出そうとしました。
しかしエリザベートはこの世界樹とパートナー契約を結ぶことができたのです。
両者の絆はとても深く、ついには融合するに至りました。
ザンスカール家は感服し、エリザベートを世界樹と同様守護すると決めたのです。
5000年前、失われた先代の世界樹イルミンスールの代わりに植えられたのが現在の世界樹イルミンスールです。
高さは約1000mあり、今なお成長を続けているといわれています。
ドイツ式の制度となっており、8年制となっています。入学は原則として13歳からです。
魔法の種類によって魔女術学科、ドルイド学科、錬金術学科、ルーン学科、近代西洋儀式魔術学科などが置かれています。
イルミンスールは世界最高の魔法学府でありますが、西洋の魔法以外はあまり研究対象となっていません。
東洋の魔法(陰陽道など)は蒼空学園のほうが盛んです。
なお、アメリカ系の魔法学科としてクトゥルフ神話学科が存在しますが、悪夢にうなされたり、精神的失調に悩まされる生徒が続出しており、存続の危機にさらされています。
Illustrator:FBC/渡辺悟志
迷宮のようになった世界樹内部や、近隣の森を探検する必要上、探検部の活動が目立っています。 ほかには魔術に関わる部活として、さまざまな言語(ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語、アラビア語など)の研究会や、天文部、地学部、生物部などが活発です。 魔術それ自体を扱う部もありますが、なまじアイデンティティーに関わる部分なので生徒同士の衝突が頻発し、小規模な部が乱立している状態です。 錬金術部などは流派や思想の違いで、10以上の部と同好会が抗争を繰り広げています。 錬金術部の1つを預かるアゾート・ワルプルギスは、エリザベートと同じくアーデルハイトを祖としており、エリザベートのはとこになります。
学校内部は巨大な迷宮となっていますが、その奥にはさまざまな魔術書や古文書、石板などを収めた大図書室が存在します。
図書室内部も複雑な迷宮となっていて、実力に見合った蔵書しか読むことができないようになっています。
最深部には禁帯出書庫があり、並の魔術師なら目にしただけで狂気に陥るような禁書が封じられているのです。
この恐るべき図書室の司書はアーデルハイトに匹敵する魔女だとの噂です。
世界樹イルミンスール内部の地下にある大浴場です。
まず目を引くのは一番大きな大浴槽です。イルミンスールの寮に住む大勢の生徒たちが利用するため、浴槽の大きさは並ではありません。
大浴槽の他にも大小様々なお風呂があり、まさに一大温泉施設となっています。
ただし、イルミンスールは西洋の慣習にならってるため、水着着用で男女混浴となっています。
ハーブ湯はイルミンスールの森で採られたハーブを使っており、毎日ハーブの種類や調合を変えているため、利用者を飽きさせることはありません。
イルミンスールの森にあるお花畑です。
そこまで奥地に存在するわけではありませんが、見つけたことのある人はあまり居ません。
空から捜そうとしても、木々に紛れている上に花畑自体がそこまで大きくないためです。
目に鮮やかな花だけでなく、効用のある薬草も数多く生えています。
生徒たちはほぼ全員が進学を希望しているのですが、まだ大学が設立されていないため、卒業後も学校に残って勉強や訓練、探検を続けています。
エリザベートはまだ進路や組織のことを考えるのには幼すぎるため、「今のままで問題ないのですぅ~」としか思っておらず、逆にアーデルハイトは中世ヨーロッパの大学のイメージが抜けきらず「なに、大学を作りたいだと?さてはあのひよっこ学生どもめ、教会と組んで私に刃向かうつもりか」などとトンチンカンなことをいうので、
当分大学は設立されそうにありません。
実際「今のままで問題ないのですぅ~」ということかもしれません。