Illustrator:KOTA/渡辺悟志
葦原明倫館はシャンバラ南西に浮かぶ葦原島の東部にあります。
元々はパラミタ大陸東方のマホロバ地方にある「葦原藩」の藩校でしたが、2020年2月に藩校自体をシャンバラへと移設しました。
総奉行(校長)はアメリカ大統領の娘ハイナ・ウィルソンで、そのパートナーは葦原藩藩主の娘である葦原房姫です。
房姫は過去幾度の危機を伝えたと言われる『御筆先』の遣い手で、5000年前からの言葉を受け取っていましたが、現在、その力は失われているようです。
葦原藩は、5000年前にシャンバラ王国が滅亡した際、旧シャンバラ王国の一部の遺臣たちがマホロバへ移住して築いた国でした。
シャンバラが再び建国する際に協力するため、葦原島へ藩校の移設を行ったのです。
建国を叶えた今は、葦原明倫館はマホロバとシャンバラと地球の交流の一端として尽力しています。
そもそも葦原藩の藩校は、藩の侍の子弟が通う学校でした。
現在では庶民でも優秀な者は侍になることが可能であり、侍以外にも隠密や陰陽師の養成なども行っています。
総奉行のハイナがアメリカ人ということもあり、アメリカ人生徒が多いのも特徴です。
生徒達は明倫館内の寮や城下町の長屋に寝泊りをして過ごしています。
また、学校とはいえ事実上葦原藩の一部であり、葦原藩の軍勢1万人も駐留しています。
彼らの多くは葦原藩に家族を残しており、交代制で明倫館に詰める制度になっています。
学校はシャンバラ南西部の葦原島に存在します。
葦原島は元々それほど栄えていませんでしたが、明倫館の移設以来、活況を呈しています。
明倫館だけではなく、明倫館生の利用を想定した様々な施設が作られたためです。
そのため現在では葦原明倫館を中心とする城下町が形成され、まるで、かつての日本の江戸や京都のような街並みが広がっています。
文化風俗も江戸時代的なものが主流で、落語や歌舞伎などといったものが楽しまれています。
ただ、日本人やマホロバ人以外も多く暮らしているため、和的文化が勘違いされていたりする事もあるようです。
7~8歳から5年~10年間程入るのが一般的です。
学科ごとに第1~第4の階梯が存在し、階梯を上がるのには厳しい試験を突破しなくてはなりません。
逆に言えば、優秀な者は短い期間で卒業することも可能です。
学科は士道科と隠密科、陰陽科に分かれています。
Illustrator:FBC/渡辺悟志
他の学校の部活動にあたる物は存在しません。
しかし学生たちが自主的に様々な団体を作り、勉強や修練、交友に励むことはあります。
マホロバから来て間もない明倫館生たちは、シャンバラについて詳しく知ろうと他校との交流を深める活動を行っているようです。
明倫館に作られたお城の名前です。
マホロバの葦原藩にも同名の城があり、それよりは小さな物となりますが、シャンバラでは珍しい形の建築物として注目されています。
主に明倫館のイコンである鬼鎧の装備を造っています。
特に鬼刀は鍛冶師でも名匠と呼ばれる者達が数十人単位で鍛え上げます。
最近では鬼鎧に乗って打つ鍛冶師もいるようです。
第3階梯まで至る事のできた者は漏れ無く葦原藩の武士や隠密として登用されます。
また第4階梯になった優秀な生徒は空京大学など、より優秀な生徒の集まる学校に留学する事が多いようです。