リアクション
――――――――――― 「あ、部長! これから体験入部でござるよ! 体験入部の許可有難うございました!」 椿 薫(つばき・かおる)は楽屋で総司を発見すると声をかけた。 「そうたいしたことは、していない。のぞき部の部員がこれでまた増えるかもしれないしな。オレは客席から楽しませてもらうぜ」 「はい!」 薫は言う事を言うと、ホイップの元へと走って行ったのだった。 ■のぞき部体験入部!?■ 舞台にはミニシアターを設置してある。 校長から借りてきたのだ。 映像には薫とホイップの姿が映っている。 撮影は薫の持つハンディカムだ。 「レポーターの椿でござる! これが男子更衣室と女子更衣室。では男子更衣室に突撃インタビューでござるよー!」 「ちょ、ちょっと待って! 女子更衣室は問題があるけど、私が男子更衣室に入るのは問題があるんじゃ……」 「ん? 何か問題がござったか?」 「いや、だって着替えてるかもしれないよ? インタビューなら更衣室から出て来てる人達で大丈夫じゃないかな?」 ホイップは必死に薫を止める。 「はは〜ん、解ったでござる」 「な、なにが!?」 「エル殿の下着姿とか胸板とか見ちゃったらどうしよう〜、って事でござるな? エル殿はまだお着替え中みたいでござるしなぁ」 「!!?」 赤面して口をぱくぱくさせているホイップがそこには居た。 「大丈夫でござるよ、きっとエル殿ならホイップちゃんに全部覗かれても嬉しがるだけでござる、ニンニン」 「い、いやいやいや! もう覗きじゃなくて堂々としてるよ!? それに……やっぱり恥ずかしいから無理!」 頭の上でバッテンを作り断固拒否の意思を示す。 「ふぅ……そんなに言うなら仕方がないでござる……」 「ほっ……解ってくれ――」 「女子更衣室へと突撃でござるね」 薫はイキイキと告げた。 「なんでそうなるの!?」 こんな感じのやり取りが屋台のインタビューまで続き、無事一般生徒の入部希望者を獲得したようだ。 ――――――――――― 「さてと……もうあとは持ちかえるだけだな」 静麻達は軽食の屋台をたたんでいた。 元々屋台は昼の部で終了の予定だったのだ。 「じゃ、先帰ってていいぞ? 俺はムフフな展開を期待して夜の部を見学――」 「一緒に帰りますよ!」 レイナにすぐ却下されてしまった。 「ムフフ? ねぇ、もう眠いよ……ふわぁ〜」 魅音は眠たそうに目をこすり、静麻の裾をつかんでいる。 「そんなぁ!!」 結局、夜の部見学は叶わぬ夢となり、後始末をクリュティに任せ大人しく帰途についたのだった。 楽しげな休憩時間も終了した。 |
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