なし

リアクション

プロローグ

「兵一千を率いて、三日月湖へ向かってほしい」
　鴉と鯰を退けた、旧オークスバレー。
　ソフソ・ゾルバルゲラの出した指令に、
「一千？！　ですか……」
　砦を守って戦ったジャック・フリート（じゃっく・ふりーと）は驚く。
「第四師団にしては、考えらない数」
　闇商人の佐野　亮司（さの・りょうじ）も、そう呟く。
「しかし。ここ旧オークスバレーは大丈夫なのですか？　また、襲撃を受ければ、守りきれないのでは」
　ジャックは、両指揮官に問う。
「実は、本国（教導団ヒラニプラ本部）より、すぐに兵が送られてくることになっている」
　ジャックと佐野は顔を見合わせる。
　というと、いよいよ南部でも戦争……！
「三日月湖から入ってきている連絡で、敵のルートも掴みつつあるのだ。先の鴉と鯰の第二波は、ここにはすぐ来ないだろう。それに、シャンバランもいる。
　今は、三日月湖にいる遠征軍が、このままでは危険だ。
　とは言え、立地上、ここに入れられる兵には限度があるし、主要な将校は第一師団から第三師団で動いており、呼び寄せることができない。
　貴官らの能力にかかっている」
　こうして、ジャック、佐野は、一千の兵と共に三日月湖へ向かうこととなった。
　そして、更に。
「貴官らに続いて、我々の第二波の援軍も続いて送られることなる」
　それは、李　梅琳（り・めいりん）が率いている、ということだった。

　やぁ。初登場の青　ノニ・十八号（せい・のにじゅうはちごう）くんだよ。
　ああっ、ひどいぢゃないですかお父さん（＝野武）、僕を南西分校に置き去りにするなんて。
　やぁぁぁぁぁ
　一心不乱に自転車を飛ばし……
「ヒィィ！」
「どうした、マスカレード？　っ……出発前（プロローグ）から、これではな」
「い、いや、ジャックさんっ。さっきっ、さっき、自転車に乗ったロボットが……」
　ロボットぢゃないですよ、機晶姫ですよ。
　やぁぁぁぁぁ
「ヒィィ！」
「なんだったんだ。今のは……」
　旧オークスバレーを越え、
「進め！　オーク戦車ぁぁぁぁぁ」
「ウガァァァァァァァ」「ダリァァァァァァァ」「ゴルァァァァァァァ」
　やぁぁぁぁぁ
「な、なに今の？」
　オーク戦車で走る草薙真矢（くさなぎ・まや）を追い越し、
　草原地方を越え、谷間の宿場を越え、三日月湖を越え、諸国を越え、……黒羊郷へ。――黒羊郷へ！


『黒羊郷探訪　第３回〜復活祭〜』

◆プロローグ　・・・・・・　p1

◆プロローグII　・・・・・・　p
　゛しるし゛の女

◆第1章　ヴァレナセレダの存亡　・・・・・・　p2-3
　01　変装作戦／02　ヴァレナセレダへ向かうそれぞれ／03　関所をぶっ壊せ／04　ハルモニア到着。そして／05　サミュエルとレーヂエの旅

◆第2章　カオス・オヴ・バトル　・・・・・・　p4-5
　01　混迷する戦場／02　偽龍雷を倒せ／03　立ち上がる者たち／04　ケルメロス・コッタッティア／05　境界／06　領主館占拠／07　街中の激戦／08　追討／09　道満と清明／10　未明

◆第3章　黒羊郷　・・・・・・　p6-8
　01　水軍のために／02　黒羊郷（1）／03　黒羊郷（2）／04　黒羊郷（3）／05　儀式まで／06　谷底のアクィラ／07　ウォーレンの決意

◆第4章　戦後　・・・・・・p9-10
　01　御茶ノ水登場／02　龍雷どうなる？／03　三日月湖畔経済共同体／04　開発事業案／05　民の声として／06　復興へ／07　援軍到着／08　龍雷その後

◆第5章　人質交換　・・・・・・p11
　01　囚われの二人／02　メニエスの手紙／03　霧島の復帰／04　円形劇場跡で

◆the another travels　・・・・・・p12
　さよならアンテロウム／告白

◆第6章　復活祭　・・・・・・p13‐14
　01　儀式のあと／02　面会／03　脱出（1）／04　脱出（2）／05　脱出（3）
　
◆終章　・・・・・・p15
　01　騎狼部隊の休息、それから／02　私は何処？／03　弾けるおっぱい・沙鈴の旅／04　マリーと道満／05　騎凛たちのその後／06　マスカレード・チキン／07　五つ目の女王器

◆もう一つの修学旅行　黒羊郷探訪。そして次回へ……／各部隊　・・・・・・　p16

◆あとがき（マスターコメント）

※各キャラの登場は、数箇所・数章に渡っている場合もありますので、章立ても参考に御覧ください。
※第１回〜2回を読んで頂いてからの方が、よりわかりやすく、より楽しめると思います。