リアクション
* 砦4、制圧。 「次、このまま砦3へ!」 一丸となって攻めるハルモニア解放軍の前には、100程の敵勢は敵ではなかった。 光学迷彩でぶちぬこ達がまず見張りを倒す。 ぶちぬこ隊はそのまま地上から、ヴァルキリー兵は上空から攻めるという二面作戦の采配をミリィが取った。この完全な奇襲によって、敵は別の砦に知らせることも、狼煙を上げることもできなかったわけだ。 こうして、砦3、1、と……。(しかし一つ問題があって、この総攻撃のため防備が手薄になっている味方側砦の8、9もまた、マリー率いる敵勢による攻撃を受けて、一時陥落の危機に陥っていた。だがマリーは、結局、砦を解放することになる。そのことは冒頭で語られた。) 「俺が張 飛(ちょう・ひ)だ! 死にたい奴はかかってきやがれっ!」 馬を駆って戦場に駆けつけたのは、張飛 益徳。(月島 悠(つきしま・ゆう)のパートナーになっている。) いきなり戦闘に参加するや、蛇矛をぶんぶん振り回し、敵を蹴散らす。 「張飛よ。あまり先へ進んで暴れるでないぞ? きちんと月島殿らの立てた作戦に則り、暴れるのじゃ」 「おう兄貴。わかっているぜ? だがよ、久々の出番なんだ。 砦の一つや二つ、俺が手を貸せば簡単だぜ!!」 「ふん……まあそれもよかろう、だがな」 {SNL9999008#関羽・雲長}。南部戦記にゲスト出演だ。 「へっ。ごちゃごちゃ言ってる暇はねぇ。行くぜ!」 更に、 「関羽。おまえも、遠慮することはない、この作戦に間違いはなかろう。ここは戦場。思う存分、青龍偃月刀を振るうてくればいいさ」 {SNL9998979#劉備 玄徳}。南部戦記にゲスト出演だ。 「私としても、誰かの指揮下で戦うというのも久しいこと。この雌雄の剣で、な。 しかし益徳。おまえの新しい主、月島殿はなかなかの」 「兄者。もう張飛は行ったが……?」 「……皆、もうおらんな。我々も行くか。はぁっ!」 砦3。 上空から砦に乗り込むヴァルキリー達。 ルミナやバルニアらが指示を繰り出すが、バルニアも、それにルミナもわりと突っ込んでいくタイプなので、その勢いや凄まじい。 この男も…… 「Ahan……馬鹿にしか解らない気持ちもあるんよ☆」 シュレイド・フリーウィンド(しゅれいど・ふりーうぃんど)だ。「しっかし、レイちゃんは何処にいったんだろうねい☆」 「馬鹿だと?」 隣で敵と切り結ぶバルニア。 「さあ? あんた誰だい、ところで」 次々と敵を右へ左へ倒していくシュレイドだが、剣は敵をいなすために使っており、相手の得物を足で弾いたり顎を狙った拳で気を失わせたりと、殺めることをしない。それが彼の戦い方であり、それはまた、彼が戦い方を教えるレイディスにも通じるところがあるわけだが。そのレイディスは、今……? 下の方では、ぶちぬこがすでに入り込み、銃声や爆発音が絶え間なく聞こえている。この砦も、もう、落ちる…… * 「ああ、出遅れちまったねぇ……」 フィーネ・ヴァンスレー(ふぃーね・う゛ぁんすれー)も、砦攻めに合流する。そこには、レイディスの姿はない。彼は、どこにもその姿が見あたらなかったのだ。 まさか、空京あたりにまで迷…… 「だったらまだいいんだけどね。どうも、ちょっと嫌な予感がするのさね。 とにかく、今は考えていても仕方がない。さあ出遅れた分、思い切り暴れっせてもらうとするさっ! おっと。逃がさないよ!」 砦から出てきた兵を、グレートソードの腹でふっ飛ばす。 * 最上階。 砦3の指揮官は、ドクトナルド(どくとなるど)だ。 「む……敵将か」 辿り着いたのは月島 悠(つきしま・ゆう)。 「ほほほ。来たわね?」細い優雅な髭がくるりと上に曲がって眉の辺りまで伸びている。眉がきゅっと下に下がっていやらしい不敵な笑みを浮かべた。「黒羊の将ドクトナルドよ」(バシバ(黄色)の色違い(紫色)。) 「剣道60段のあたくしに勝てると思って?」 ドクトナルドはレイピアを抜いた。ひゅん、ひゅひゅん。その突きは鋭い。「さあどこからでもおいでよ?! この砦はあげるわ、けれども、あなたの命はもらうわ」 「ふっ、そんなもの」 月島は機関銃を向けた。 「アッー??!! ひ、卑怯じゃない貴方、正々堂々としなさいよ、正々堂々と。勝負はフェアじゃないと、おもしろくないわよ? さあ、これを使いナ」 ドクトナルドは、レイピアを月島の足もとに投げて寄越した。 「……。私に、刀剣を使えか。面白い」 月島は、レイピアを取って眺める。「ところで、おまえはどうする? 私にレイピアを渡したのはいいが、もう一本あるのか?」 「ほほほ。お馬鹿さんね♪ あなたみたいな人、好きよ?」 ドクトナルドは壁に飛びつくと、スイッチを押した。 「はっはっはーっ。吊り天井だぁよ、押し潰されて、死んじゃいナ!」 「何?!」 刃の突き出た天井が、凄まじい勢いで下降し月島に迫る。「ははは、言ったろう、あたくしは剣道60段だと!!」 「悠くん!」 最上階の扉に、麻上 翼(まがみ・つばさ)の姿が。 「翼……来るな!」 「ほーほほほ! 死ね、死ねィィィ!!」 |
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